長崎港の沖に浮かぶ端島は、「軍艦島」の通称で知られる海底炭鉱の島です。2015年には「明治日本の産業革命遺産」の構成資産として世界文化遺産に登録されました。個人で自由に渡ることはできず、長崎市の許可を受けた船会社のツアーに申し込む必要があります。
ただし、料金の仕組みは船会社によって違います。一方で、上陸できなかったときに戻るお金は、その理由が「欠航」か「上陸中止」かで変わります。予約の前に知っておきたい船会社の選び方と料金、上陸できない日の扱いをまとめました。
軍艦島は個人で上陸できません。長崎市の許可を受けた船会社のツアーに申し込み、誓約書を提出することが条件です。
予約前に運航状況を確認

軍艦島は、波が高い日や風が強い日には上陸できないことがあります。さらに、島の設備の点検や工事のため、一定期間にわたって上陸が休止されることもあります。
各社の公式サイトでは、「現在は軍艦島へ上陸できません(周遊のみ)」という案内が出る時期があります。その場合、船は出航しますが上陸はできず、島の周囲を巡る周遊コースに変更されます。再開の時期が決まっていないこともあります。
そのため、予約する前にも、出発する前にも、必ず各船会社の公式サイトにある「当日の運航状況」のページで最新の状況を確認してください。上陸できるかどうかは、旅行サイトの口コミではなく、運航会社の公式の案内で判断します。
料金の二本立て|乗船料と施設使用料

軍艦島のツアー料金は、船会社に払う「乗船料」と、長崎市に払う「施設使用料」の二つに分かれています。施設使用料は乗船料に含まれず、別途かかる点に注意してください。
施設使用料は、上陸する人全員が長崎市に支払うものです。大人と中高生・小学生の額は長崎市が定めており、船会社によって変わりません。
区分 | 施設使用料(長崎市へ・乗船料とは別) |
|---|---|
大人(18歳以上) | 650円 |
中高生・小学生 | 320円 |
未就学児の扱いは三社で分かれます。軍艦島コンシェルジュは施設使用料が無料、高島海上交通は4歳から参加でき、施設使用料は320円です。シーマン商会は未就学児を受け付けていません。
この施設使用料は、島に上陸できなかった場合には返金されます。一方で乗船料が返ってくるかどうかは、次に説明するとおり「どういう理由で上陸できなかったか」で変わります。
「欠航」と「上陸中止」の違い
軍艦島のツアーで混同しやすいのが、「欠航」と「上陸中止」の違いです。どちらも「上陸できない」点は同じですが、料金の扱いがまったく異なります。
欠航は、荒天などで船そのものが出ない場合です。この場合、どの船会社でも、前払いした乗船料は返金され、当日に現金で支払う予定なら、そもそも支払いがありません。
たとえば軍艦島コンシェルジュは、欠航のときはクレジット決済を取り消して全額を返金し、あわせてデジタルミュージアムの入館料を半額にすると案内しています。
返金の手続きや条件は会社によって異なるため、予約の前に各社の公式サイトでご確認ください。
上陸中止は、船は出るものの島に上がることができず、周遊に変更される場合です。この場合、長崎市へ払った施設使用料は返金されますが、船会社に払った乗船料は原則として戻りません。
高島海上交通は、上陸できないときは周遊に変更し、施設使用料は返金するが乗船料は返金しないと明記しています。シーマン商会も、上陸できない場合は周遊コースに変更し、施設使用料を返金するとしています。
上陸できなくても、「欠航」なら費用はかからず、「上陸中止(周遊に切替)」なら施設使用料だけが戻ります。
なお、上陸できるかどうかの基準は、各社の公式サイトに掲載されています。目安として、波の高さが0.5メートルを超える、風速が5メートルを超える、見通しが500メートル未満、といった場合には上陸しません。加えて、船長が安全に乗り降りできないと判断したときも、上陸は見送られます。
これは、長崎市が2023年から実証実験として運用している基準に基づいています。上陸するかどうかは、当日の各社の案内で最終的に決まります。
船会社ごとの料金とサービス
長崎市の許可を受けた船会社は複数あります。ここでは、公式サイトで最新の料金や運航状況を確認できる三社を比べます。乗船料はいずれも大人の目安で、施設使用料は別途かかります。
船会社 | 乗船料(大人・施設使用料は別) | 特徴 |
|---|---|---|
軍艦島コンシェルジュ | 5,500円〜(上位席種は最大12,000円前後) | デジタルミュージアム見学込み・クレジット決済が可能 |
シーマン商会 | 4,200円(公式配布の割引券で3,900円) | 語り部による解説・支払いは現金のみ |
高島海上交通 | 3,600円(2027年4月に改定予定) | 高島にも立ち寄る二島型・英語サイトから予約が可能・支払いは乗船日に現金 |
選び方の目安を挙げると、料金の安さや英語での予約を重視するなら高島海上交通、語り部の解説を聞きたいならシーマン商会、デジタルミュージアムの見学も合わせたいなら軍艦島コンシェルジュです。
たとえば、シーマン商会を割引券で予約して大人1名が上陸する場合、当日に用意する金額の目安は、乗船料3,900円と施設使用料650円を合わせた4,550円です。
乗り場は、軍艦島コンシェルジュが常盤港、シーマン商会が常盤2号桟橋、高島海上交通が元船桟橋です。
軍艦島コンシェルジュの席は三段階で、スタンダードが5,500〜6,000円、上位のプレミアム・スーパープレミアムは最大で12,000円前後です。
このほかにも、長崎市の許可を受けた運航会社があります。最新の料金や運航状況は、各社の公式サイトに掲載されています。
予約と当日の流れ
多くの会社は事前予約制で、公式サイトや旅行サイトから申し込みます。当日に空席がある場合に受け付ける会社もありますが、参加を希望する場合は事前予約をおすすめします。
支払いは、クレジット決済に対応する会社もあれば、当日現金のみの会社もあります。現金のみの会社を選ぶ場合は、乗船料と施設使用料の合計額を現金で用意してください。
当日は、出航時刻より前に受付を済ませ、誓約書を提出します。誓約書は、島内では決められた見学通路と見学広場の範囲だけを歩くことなどに同意する書類です。
公式サイト(予約・運航状況の確認先)は次のとおりです。
軍艦島に上陸できるかどうかは当日に決まります。工事などで長期間休止することもあるため、予約の前と出発の前に、各社の公式サイトで最新の運航状況を確かめてから出かけましょう。
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