ホテルを予約すると、予約サイトの合計金額には出てこない税金がかかることがあります。宿泊税(しゅくはくぜい)です。1人1泊あたりで課税され、金額は「どの都市に泊まるか」「部屋がいくらか」でまったく変わります。
多くの都市では数百円ですが、京都の高級ホテルでは1泊1万円に達することもあります。そして大半のケースで、予約時にオンラインで払った宿泊料金とは別に、現地のフロントで現金かカードで支払います。
この記事では2026年時点の宿泊税を都市別に整理し、あわせて2026年3月に始まった京都の大幅増税と、2027年4月に予定される東京の定率化も取り上げます。
宿泊税は予約サイトの合計金額にはほとんど含まれません。1人1泊あたりでかかるので、到着前に旅行の予算に組み込んでおくと安心です。
都市別の宿泊税(2026年)
税額は「1人1泊あたりの宿泊料金」で決まります。消費税や食事代は含めません。多くの都市では料金帯ごとに段階的に上がる定額制で、一部(ニセコなど)は定率です。
都市 | 宿泊税(1人1泊) | 非課税ライン |
|---|---|---|
東京 | 100円(1万〜1.5万円未満)/200円(1.5万円以上) | 1万円未満 |
京都 | 200〜1万円(下の詳細表を参照) | なし(金額を問わず課税) |
大阪 | 200円(5千〜1.5万円未満)/400円(1.5万〜2万円未満)/500円(2万円以上) | 5,000円未満 |
福岡市 | 200円(2万円未満)/500円(2万円以上) | なし |
金沢 | 200円(5千〜2万円未満)/500円(2万円以上) | 5,000円未満 |
長崎市 | 100円(1万円未満)/200円(1万〜2万円未満)/500円(2万円以上) | なし |
札幌 | 300円(2万円未満)/400円(2万〜5万円未満)/1,000円(5万円以上)※道税+市税 | なし |
ニセコ(倶知安町) | 宿泊料金の3% | なし |
奈良市 | なし | ― |
いくつか間違えやすい点があります。福岡市の金額は、県税(50円)と市税を合わせた合計で、実際に払うのは上の合計額だけです。北九州市と福岡県内のその他の市町村は一律200円です。
北海道も同じ仕組みです。道税が料金帯別に100円・200円・500円かかり、そのうえで主要都市は独自の税を上乗せします。上の札幌の金額は、道税と市税を合算した額です。
函館市・小樽市・ニセコ町なども独自の税を上乗せするので、これらの都市では少し多めに見積もっておきましょう。ニセコ(倶知安町)の3%は、たとえば6万円のコテージなら1人1泊1,800円になり、同じ料金でも他都市の数百円よりずっと高くなります。
奈良市のように宿泊税がまったくない都市もあるので、どこでも必ずかかるわけではありません。
京都の大幅増税(2026年3月〜)

京都市は2026年3月1日から宿泊税を大きく引き上げ、この金額がすでに適用されています。5つの料金帯に細分化され、高価格帯では全国でもっとも高い税額です。
1人1泊の宿泊料金 | 京都市の宿泊税 |
|---|---|
6,000円未満 | 200円 |
6,000〜2万円未満 | 400円 |
2万〜5万円未満 | 1,000円 |
5万〜10万円未満 | 4,000円 |
10万円以上 | 1万円 |
引き上げの影響は中〜高価格帯でとくに大きく出ています。5万〜10万円未満の帯は1,000円から4,000円に上がり、10万円以上には新たに1万円の帯が設けられました。据え置きは6,000円未満の200円だけです。
京都で高めの宿に泊まるなら、予約前に1泊あたりの料金をこの表と照らし合わせてください。宿泊税だけで、2〜3泊すると数千円が上乗せされます。
どのエリアに泊まるか迷っている方は、京都はどこに泊まる で目的別・予算別のエリア選びを紹介しています。
支払いのタイミングと方法
初めての方が驚くのが、この支払い方です。Booking.comやじゃらんなどで宿泊料金を全額オンライン決済していても、宿泊税はその合計に含まれないのが原則です。予約サイトに表示される金額は、部屋代だけです。
宿泊税は現地で、チェックインかチェックアウトのときに、そのほか現地で支払う費用と一緒に精算します。カードや交通系IC、QRコード決済を利用できるか、現金のみかは宿によって異なり、自治体で一律に決まってはいません。念のため少し現金を用意しておくと安心です。
もう一つ知っておきたいのが、税額が「1人あたり」の料金を基準に決まる点です。部屋あたりではありません。たとえば東京で2人が2万8千円の部屋に泊まると1人1万4千円になり、200円ではなく100円の帯に入ります。ほとんどの都市がこの方式です。
温泉地の入湯税(別税)

温泉旅館に泊まると、宿泊税とは別に「入湯税(にゅうとうぜい)」という項目が加わります。標準の額は1人1泊150円ほどで、宿泊税の代わりではなく、宿泊税に上乗せして課税されます。たとえば箱根町の入湯税は、宿泊者1人あたり1泊150円です。
そのため、宿泊税もある温泉地では請求書に両方が並ぶことがあります。金額は小さいものの、予算を立てるときに忘れやすい項目です。
2027年からの変更点
まず、東京都の宿泊税が定率制に変わります。2027年4月1日から、東京は現行の100円・200円の定額をやめ、宿泊料金の一律3%に切り替えます。上限はありません。
1人1泊1万3,000円未満は非課税になりますが、それ以上は料金に応じて税額が増えます。たとえば4万円の部屋なら、現行の200円ではなく1泊1,200円です。
対象も広がり、ホテル・旅館に加えて民泊(みんぱく)や簡易宿所までかかるようになります。
もう一つは、新たに宿泊税を導入する自治体が増えることです。2026年6月、国は7つの市町(山形市・苫小牧市・北広島市・名護市・稚内市・富士吉田市・富士河口湖町)の新設に同意しました。いずれも2027年中に始まる予定です。開始日や税額は自治体ごとに異なるので、旅行前に現地の情報を確認してください。
予算の立て方
普通の旅行なら、宿泊税は1泊数百円程度の小さな費用です。とはいえ、複数都市をまわると積み上がりますし、京都の高価格帯やニセコの定率税は、高めの宿ではまとまった負担になります。
簡単なコツは、1人1泊あたりの部屋代を確認し、上の都市別の表と照らし合わせておくことです。買い物も予定しているなら、宿泊税とはまったく別の仕組みである 日本の免税ショッピングのルール も確認しておくと安心です。免税の仕組みは2026年11月1日から変わります。
