夜11時に着く便、あるいは朝7時に発つ便。そんなときに、重いスーツケースを引いて空港と都心のあいだを移動するのは、かなりの負担です。日本に着いた最初の夜と、発つ前の最後の夜くらいは、空港のすぐそばで宿泊するほうが楽です。
やっかいなのは、ひとことで「空港の近く」と言っても、羽田と成田でまるで事情が違うことです。宿の選び方を間違えると、深夜に行き場を失うこともあります。ここでは「何時の便か」を手がかりに、泊まる場所を整理していきます。
泊まった翌朝、都心へどう出るかは姉妹記事の 成田・羽田空港から東京都心へのアクセス完全ガイド にまとめています。この記事で扱うのは、あくまで空港での一泊です。
選び方の軸:到着時刻とターミナル
宿選びを左右するのは、時刻とターミナルです。まず、着くのが何時か、あるいは発つのが何時か。夜9時ごろの到着ならまだ選択肢は広いのですが、終電を過ぎる便になると話が変わってきます。
もうひとつ大切なのが、使うターミナルです。羽田は国際線が第3ターミナル、国内線が第1・第2ターミナル。成田は国際線の多くが第1・第2ターミナルで、ジェットスター・ジャパンなど一部の格安航空会社は第3ターミナルに発着します。
自分が使うターミナルを先に確かめて、そこにいちばん近い宿を選ぶ。基本はそれだけです。
見落としがちなのが、シャトルバスの終わる時間です。成田のホテルが出している無料シャトルは、たいてい夜10時から11時ごろには運行を終えます。深夜0時を回って着くと「無料シャトル付き」の宿はもう動いておらず、ターミナル内のカプセルか、タクシーか、という選択になります。ここは後で詳しく触れます。
羽田:ターミナル直結のホテル

羽田は、空港で寝るという点ではかなり楽な部類です。主だった宿がターミナルの中にそのまま入っているので、シャトルもタクシーもいらず、屋内を歩くだけでたどり着きます。
ロイヤルパークホテル ザ 羽田 は第3ターミナルに直結しています。国際線の到着フロアから屋内を数分歩けば着く距離で、夜遅い国際線で降りたときや、早朝便に備えて前泊するときに、まっさきに候補へ挙がる一軒です。
ヴィラフォンテーヌ グラン羽田空港 と、その上位版の ヴィラフォンテーヌ プレミア羽田空港 は、羽田エアポートガーデンの中にあって、やはり第3ターミナルと直結しています。館内には天然温泉の大浴場があり、長いフライトのあとには、これがちょっとした贅沢になります。
ファーストキャビン羽田ターミナル1 は、国内線の第1ターミナルにあるキャビン型の宿です。次が国内線への乗り継ぎなら重宝します。チェックインは19時から、フロントは24時間ではありません。
第1ターミナルは深夜になると閉まります。未明の到着になりそうなら、1階の到着ロビーにある夜間入口を覚えておいてください。電話を入れれば、スタッフが出迎えに来てくれます。
料金は、どの宿も日付と予約の早さで大きく動きます。ひとつの数字を鵜呑みにせず、泊まる日の料金をその都度見比べるのが確実です。
成田:ターミナル内のカプセルか、無料シャトルのホテルか

成田は都心から遠い。だからこそ、空港のそばに一部屋とっておく値打ちがあります。泊まり方は、ターミナルの中で寝るか、シャトルで数分のホテルへ移るか。順に見ていきます。
深夜に着くなら、いちばん心強いのが 9h(ナインアワーズ)成田空港 です。第2ターミナルの中、駐車場ビルの地下にあるカプセルホテルで、入国審査を抜けたあとの一般エリア(制限区域の外)にあります。
フロントは24時間。ただし深夜0時を回る到着になりそうなときは、先に一報を入れておいてください。朝チェックアウトすれば、あとはそのまま搭乗口へ向かうだけです。第3ターミナルに着いた場合も、第2ターミナルへは歩いてすぐで、無料の連絡バスも走っています。
もう一方は、車で数分のところに集まっているフルサービスのホテルです。どこも第1・第2ターミナルとのあいだに無料シャトルを走らせていて、違いは運行時間と距離くらいです。
ホテル | シャトルの特記 |
|---|---|
ヒルトン東京成田エアポート | JR成田駅方面も運行 |
成田東武ホテルエアポート | 空港まで約5〜10分 |
ANAクラウンプラザホテル成田 | おおむね朝6時〜23時ごろ運行 |
マロウドインターナショナルホテル成田 | 空港まで約10分 |
成田ゲートウェイホテル | ホテル発の便は要予約 |
どこも快適で値ごろ、早朝発や夕方着なら申し分ありません。ただ、予約の前にシャトルの時間だけは必ず見ておいてください。
多くは夜おそくまで走っていますが、なかには夜10時ごろに運行を終える便もあります。ホテルから空港へ向かう便は、事前予約が必要なところもあります。これを逃すとタクシーになり、せっかくの節約が消えてしまいます。
整理すると、深夜に着くならターミナル内のカプセル、夕方着や早朝発なら無料シャトルのホテル。どちらも、遠い成田だからこそ生きる泊まり方です。
深夜到着で終電を逃したとき
都心へ向かう直通の電車やバスは、思っているより早く終わります。とくに成田は、都心行きの速達列車が深夜0時前に終わってしまいます。着く日の時刻表は、必ず先に確認しておいてください。
最終を逃したら、空港で夜を明かすか、すぐそばに宿をとるか、どちらかになります。成田なら第2ターミナルの 9h が、ひとこと伝えておけば遅い到着でも受け入れてくれます。
羽田は少し勝手が違います。国際線で第3ターミナルに着くなら、館内でそのまま朝を待つ手もあります。第3ターミナルは夜通し開いているからです。閉まるのは国内線の第1・第2ターミナルのほうで、ファーストキャビン が夜間入口を用意しているのもそのためです。
とはいえ、ベンチで一夜を過ごすのと、ベッドで横になるのとでは、翌日の体がまるで違います。深夜1時に人けのないロビーで宿を探すくらいなら、現地で慌てないよう、あらかじめ一部屋押さえておくほうが賢明です。
時刻表の確認先は、成田が京成スカイライナーとJR、羽田が東京モノレールと京急です。
早朝出発のとき
早朝に発つときは、向きが逆になるだけで、やることは同じです。搭乗口の近くで寝ておくことに尽きます。
羽田の第3ターミナル発の国際線なら、ヴィラフォンテーヌの2館とロイヤルパークが、一歩も外に出ずに数分でチェックインカウンターに着く距離にあります。成田なら無料シャトルのホテルで十分ですが、朝いちばんの便に間に合わせるのが前提です。始発が6時以降というシャトルもあるので、予約のときに当日の始発時刻を確かめておいてください。
国際線は一般に、離陸の3時間ほど前には空港に着いておくのが目安です。歩いてすぐの距離に部屋があるか、シャトルを予約済みか。その一点で、朝の余裕が大きく変わります。
予約前のちょっとしたコツ
空港ホテルの値段は需要しだいで、同じ部屋でも日によって大きく上下します。予約のときに気をつけたいことが、いくつかあります。
まず、できるだけ払い戻しのきくプランにしておくこと。便の時刻はずれることがありますし、繁忙期は空港ホテルもすぐ埋まります。
そして、決める前に、その空港の宿をひと通り見比べること。名前を知っているというだけで、そのまま予約してしまわないことです。
その夜に空いている部屋をいち早く見るには、上のリンクから空港周辺のホテル一覧を開いて、料金と距離で並べ替えるのが手っ取り早い方法です。数週間前にこれを済ませておけば、最初と最後の夜は、もう頭を悩ませる問題ではなくなります。

