初詣(はつもうで)は、新しい年になって初めて神社やお寺にお参りする行事です。一年の無事を願い、新しい年の抱負を思い描く、日本のお正月でいちばん身近な習慣です。
東京には全国から人が集まる大きな神社やお寺がいくつもあり、大晦日の夜から三が日にかけては、どこも大変な人出になります。この記事では、東京の代表的な初詣スポットと、混雑を避けやすい時間帯、大晦日の終夜運転や参拝の作法まで、初めての方が知っておくと安心なことをまとめました。
混雑のピークは大晦日の夜と、三が日の午前中です。人出を避けたいなら、元旦の早朝か、三が日の夕方以降が狙い目です。
初詣を済ませる時期(三が日と松の内)
初詣に「この日まで」という厳密な決まりはありません。ただ、一般的には元日から1月3日までの「三が日(さんがにち)」に行く方が多く、次いで「松の内(まつのうち)」までが目安とされています。
松の内は、門松やしめ飾りといったお正月飾りを飾っておく期間のことです。この期間には地域差があり、関東では1月7日まで、関西では1月15日までとするのが一般的です。もともとは全国そろって1月15日まででしたが、江戸の頃に関東で短くなったといわれています。
松の内を過ぎても、初詣にお参りして構いません。仕事始めで忙しい方は、1月の半ばや下旬に落ち着いてお参りしても問題ありません。混雑を避けたい旅行者の方には、むしろ三が日を少し外した日をおすすめします。
なお、初詣の全国的な人出は、かつては警察庁が発表していましたが、近年は公式の集計がありません。数字の大小より、行きたい神社の雰囲気や混み具合で選ぶのがよいでしょう。
東京の有名な初詣スポット

東京で人が多く集まる初詣スポットを、それぞれの特徴がわかるように挙げます。2027年の元日は金曜日で、三が日が金・土・日の連休にあたるため、例年以上に混み合うことが見込まれます。
明治神宮(めいじじんぐう) は、原宿・代々木にある東京を代表する神社です。初詣の参拝者数は日本一とされ、例年およそ300万人が訪れると広く報じられています。境内は広く、原宿口・代々木口・参宮橋口の3つの入口があり、いずれからも御社殿まで歩いて10分ほどです。最寄りはJR原宿駅・原宿口です。
大晦日の夜から元日の未明にかけて終夜参拝を受け付けており、その時間帯がもっとも混み合います。
浅草寺(せんそうじ) は、雷門と仲見世で知られる浅草のお寺です。大晦日の除夜の鐘のあと、元日の0時から新年の参拝が始まります。1月7日までは本堂で「新年大祈祷会(しんねんだいきとうえ)」という特別なご祈祷も行われます。東京メトロ銀座線・浅草駅などから歩いてすぐで、三が日は日中が特に混み合います。
神田明神(かんだみょうじん) は、御茶ノ水・秋葉原に近い「江戸総鎮守」で、商売繁盛やIT・電気街の守り神として知られています。会社の仕事始めにお参りする人も多い神社です。JR御茶ノ水駅から徒歩5分ほど。
日枝神社(ひえじんじゃ) は、赤坂にある格式の高い神社です。ビジネス街の真ん中にありながら、静かにお参りしやすい神社です。東京メトロ千代田線・赤坂駅や南北線・溜池山王駅から徒歩3分ほど。縁結びで有名な神社なら、飯田橋の東京大神宮(とうきょうだいじんぐう) も知られています。
このほか、東京の近郊では神奈川県川崎市の川崎大師(かわさきだいし) も全国有数の初詣スポットです。東京都内ではありませんが、厄除けで知られ、京急大師線の川崎大師駅から徒歩8分ほどです。
初詣の混雑を避ける時間帯

いちばん混むのは、大晦日の夜から元日の未明にかけてと、三が日の日中です。明治神宮では、例年、混雑のピークは大晦日の午後10時ごろから元日の午前3時ごろまで。加えて、三が日は午前10時以降が特に混み合います。
年をまたぐ瞬間に参拝したい方は深夜に向かうことになりますが、この時間帯は長い行列を覚悟してください。行列を避けたいなら、元日の日の出のあと、早朝に向かうのが比較的すいています。三が日の中では、夕方以降に人出が落ち着く傾向があります。
参拝の時間は神社ごとに異なります。明治神宮では、例年(2026年正月の実績)、元日は0時から午後6時30分ごろまで開いており、1月2日・3日は朝6時40分ごろから夕方までとなっていました。2027年の正月の時間は例年11〜12月に発表されるため、お出かけ前に各神社の公式サイトで最新の時間を確認してください。
大晦日から元日にかけての終夜運転とアクセス

大晦日の夜から元日の朝にかけては、初詣の人のために電車の本数が特別に増えます。JR東日本では例年、大晦日の終電後から元旦の早朝にかけて、山手線などの主要路線で終夜運転(一晩じゅう電車を動かすこと)を実施しています。
ただし、2027年正月の終夜運転はまだ発表されていません(例年11〜12月ごろの発表です)。どの路線が対象になるかは年によって変わり、地下鉄では実施しない年もあります。深夜に移動する予定の方は、鉄道会社の公式発表を必ず確認してください。
車で向かうのはおすすめしません。明治神宮では、例年、三が日(1月1〜3日)は境内に車で入ることができず、この期間は原宿駅の周辺でも交通規制が行われます。人出の多い神社はどこも周辺の道が混み合うため、初詣は公共交通機関を使うのが安心です。
参拝の作法
神社とお寺では、お参りの作法が少しちがいます。まず共通するのが、入口の手水舎(てみずや)で身を清めることです。神社本庁の案内では、右手でひしゃくを取って左手を洗い、持ち替えて右手を洗い、もう一度左手に水を受けて口をすすぐ、という順番が示されています。
神社では、お賽銭を入れたあと「二拝二拍手一拝(にはいにはくしゅいっぱい)」でお参りします。深いお辞儀を2回し、胸の高さで手を合わせて2回打ち、最後にもう一度深くお辞儀をします。
一方、浅草寺や川崎大師のようなお寺では、一般的に拍手は打ちません。静かに手を合わせて一礼するのが通例です。拍手をするのは神社で、お寺ではしない、と覚えておくとよいでしょう。
お賽銭の金額に決まりはなく、少額でかまいません。「ご縁がありますように」との語呂合わせで5円玉を入れる人が多いですが、あくまで縁起かつぎなので、無理のない金額で十分です。おみくじは境内の授与所で引き、お守りもそこで受けます。
神社やお寺のマナーをもう少し知りたい方は、御朱印のもらい方もあわせてご覧ください。
元日の寒さと防寒
元日の東京は、一年でもっとも冷え込む時期にあたります。気象庁の平年値(1991〜2020年)では、東京の1月の最高気温は平均9.8℃、最低気温は平均1.2℃です。日中でも10℃前後までしか上がらず、深夜から早朝はさらに冷え込みます。
年越しの瞬間に参拝しようと屋外で並ぶ場合は、この数字から想像する以上に寒く感じます。厚手のコートに手袋やマフラー、使い捨てカイロを用意しておくと、長い行列も乗り切りやすくなります。靴は、歩きやすく冷えにくいものを選んでください。
初詣には、日本のお正月らしい空気がいちばん色濃く漂います。混雑する時間帯を避け、防寒を整えておけば、初めての方にも気持ちのよいお参りになるでしょう。
