京都や東京の寺社をめぐるなら、御朱印(ごしゅいん)を旅の記録に残すのはいかがでしょうか。参拝した日付が墨で書き込まれるので、あとで見返せば「あの日、この寺に行ったな」と旅の記憶がよみがえります。
ただ、御朱印にはいくつか作法があり、知らないまま授与所に並ぶと戸惑うこともあります。この記事では、初めての方が迷わず、失礼なく御朱印をいただくための基本を、料金の相場から御朱印帳の選び方までまとめました。寺社めぐりの下調べとして、清水寺の紅葉2026 などの記事とあわせてお読みください。
御朱印は、まず参拝してからいただくものです。スタンプラリーの記念スタンプとは別物です。
御朱印とは何か

御朱印は、神社やお寺に参拝した証としていただくものです。もとは奈良・平安の時代に、写経を納めた際に受け取る書付として始まり、やがて参拝の証としていただく今の形へと変わっていきました。「御朱印」という呼び名が広まったのは昭和10年ごろからだといわれています。
大切なのは、御朱印が参拝の証だということです。神社本庁は御朱印を「参拝した証としていただくもの」と位置づけ、宮城県神社庁など一部の神社庁は、御朱印をスタンプラリーのように集めること自体を目的にしないよう呼びかけています。まず神さま・仏さまにお参りをして、そのうえで授与所へ向かうのが本来の順序です。
もらい方の手順
流れはとてもシンプルです。難しく考える必要はありません。
- まず本殿・本堂にお参りをする
- 授与所(御朱印所・納経所と呼ぶこともあります)へ行き、御朱印をお願いする
- 御朱印帳を持っていれば、書いていただきたいページを開いて渡す
- 書いていただいている間は、静かに待つ
書いてくださっている最中に話しかけたり、写真を撮るために動き回ったりするのは控えましょう。一つひとつ手書きで仕上げてくださっているので、その時間を静かに見守るのがマナーです。
料金の相場
御朱印の初穂料・納経料は、300〜500円ほどが目安です。たとえば京都の八坂神社では、御本社の手書きの御朱印が500円、あらかじめ紙に書かれた書き置きが300円と公式に案内されています。
金額をあえて示さず、「お気持ちで」とされる寺社もあります。いずれの場合も、釣り銭がいらないよう、小銭を用意しておくと安心です。キャッシュレス決済に対応していない授与所も少なくありません。
御朱印帳はどこで購入できるか

御朱印をいただくには、御朱印帳を用意します。多くの神社やお寺の授与所で扱っているほか、文具店や通販でも購入できます。表紙のデザインは寺社ごとに個性があり、旅の思い出として、好みの一冊を選ぶ楽しみもあります。
- 相場は1,000〜1,500円が中心(装飾の凝ったものは3,000円台〜4,000円弱のこともあります)
- サイズは大判(およそ18×12cm)と小判(およそ16×11cm)が主流です。後から買い足すなら、同じサイズで揃えると本棚や箱にきれいに収まります
- 蛇腹折りに開くタイプが多く見られます
- 神社用とお寺用を分ける決まりはありません。気になる方は分けても構いません
たとえば八坂神社では、御朱印帳が1,500円から、蒔絵をあしらったもので3,800円と案内されています。まず一冊を旅先の授与所で求め、そこに御朱印を書いていただくところから始めるのがおすすめです。
授与の時間と書き置き

授与所が開いている時間は寺社によって異なりますが、おおむね朝9時ごろから夕方16〜17時ごろまでが目安です。東京の浅草寺では影向堂で8時から16時30分まで授与しています。京都の八坂神社では、9時から16時までは手書き、16時以降は書き置きの用紙のみとなります。
混雑する時期や特定の日には、その場で書かず、あらかじめ書かれた「書き置き」の紙を渡す寺社もあります。また、御朱印帳をいったん預けて番号札を受け取り、参拝を済ませてから受け取る方式をとる寺社もあります。書き置きは持ち帰って御朱印帳に貼ることができるので、それも旅の記念になります。
夕方に訪れる予定なら、手書きの受付が早めに終わる場合があることを頭に入れておいてください。
気をつけたいこと
気持ちよく御朱印をいただくために、いくつか押さえておきたい点があります。
- 参拝をせずに御朱印だけをいただくのは、本来の趣旨から外れます
- 御朱印を扱っていない寺社もあり、繁忙期は中止や書き置きのみになることもあります
- 受付時間は寺社ごとに違うので、出かける前に公式サイトで確認しておきましょう
- 御朱印帳を忘れたときに紙で対応してくださる神社もありますが、用意のない場合は無理にお願いしない
御朱印は、旅の一日を静かに刻んでくれる小さな記録です。作法といっても難しいものではなく、大切なのは参拝への感謝の気持ちです。それさえ忘れなければ、はじめての一冊もきっとよい思い出になります。