冬のオホーツク海は、北からやってきた流氷に覆われます。その氷の海を進む砕氷船が、網走の「おーろら号」と紋別の「ガリンコ号」です。出かける前に決めておきたい船の選び方、予約、見頃、服装を順に紹介します。
流氷は自然現象なので、どちらの船に乗っても必ず見ることができるとは限りません。見頃は例年2月中旬から3月上旬です。北海道のほかの冬の過ごし方は 北海道の冬の楽しみ方 にまとめています。
見頃の2月は便も混み合います。乗る日を決めたら早めに予約し、防寒具もそろえておきましょう。
おーろら号とガリンコ号、どちらを選ぶか
2つの船は、それぞれ別の町から出ています。乗り場・船の種類・所要時間・料金・予約の開始日が違うので、下の表で見比べてください。
項目 | おーろら号(網走) | ガリンコ号(紋別) |
|---|---|---|
乗り場 | 道の駅「流氷街道網走」 | 海洋交流館(ガリンコステーション・紋別) |
船 | 大型船おーろら(491トン)/小型船おーろら3 | ガリンコ号Ⅲ「IMERU」 |
砕氷のしかた | 一般的な砕氷船 | 船首のドリル(アルキメディアンスクリュー)で砕く |
所要時間 | 大型船 約1時間/小型船 約2時間 | 約60分(最大30分延長の場合あり) |
運航期間(目安) | 1月20日〜3月31日(公式の現在の表示・年の記載なし) | 2027年1月15日〜3月31日(毎日運航) |
料金の目安 | 大型船 大人7,000円・小学生3,500円(幼児無料)/小型船 大人9,800円・小学生4,900円(2027年分は未発表) | 冬期クルーズ乗船券 5,000円(子ども料金は予約サイトで確認) |
次シーズンの予約開始 | 11月1日(WEB) | 10月9日(開始済み) |
おーろら号は便数が多く、JR網走駅や女満別空港から行きやすいのが利点です。ガリンコ号は、船首のドリルで氷を砕きながら進む独特の光景が見どころです。紋別へは、羽田からオホーツク紋別空港への直行便があります。
網走と紋別は別の町で、2つを結ぶ直通バスはありません。1度の旅行では、どちらか一方に絞るのがおすすめです。
なお、上の表のおーろら号の運航期間(1月20日〜3月31日)と料金は、いま公式サイトに出ているものです。ただし「年」の記載がなく、2026-27シーズン(2027年1〜3月)の分はまだ発表されていません。
ガリンコ号は、2027年1月15日から3月31日まで毎日運航すると発表しています。おーろら号は、出かける前に運航日と料金を公式サイトで確認してください。
予約の方法と当日券

どちらの船も、混み合う土日祝は満席になることがあります。乗る日が決まっているなら、早めに予約しておくと確実です。
ガリンコ号は、2027冬期クルーズの予約を2026年10月9日からWEBと電話(050-1743-5848)で受け付けています。当日に空席があれば、予約なしでも乗船できます。
受付は出航の60分前に始まり、30分前に終わります。乗船の締め切りは出航10分前です。
おーろら号は、WEBと電話(0152-43-6000)で予約できます。2027シーズンのWEB予約は11月1日に始まります。公式サイトは「第一希望の便だけを予約し、予備として複数の便を予約しないでほしい」と案内しています。
当日券があるかどうかは公式サイトに書かれていないので、予約してから出かけると安心です。大型船には、追加500円の特別席があります。事前予約はできず、当日に船内で先着順に受け付けています。
公式サイト: 流氷砕氷船おーろら号 ガリンコ号(オホーツク・ガリンコタワー)
流氷が見えない日の運航とキャンセル
流氷は風と海流で動くので、シーズン中でも沖へ遠ざかって見えない日があります。流氷が見えなかったときの扱いは、2社で違います。
おーろら号の場合、流氷がない日も大型船は欠航せず、能取岬までの海上遊覧として運航します。ただし小型船おーろら3は運休します。乗船する人が規定の人数に満たない便も、運休になることがあります。
ガリンコ号は、乗船しても流氷が見えなかった人に、次回4,000円で乗船できる「再チャレンジ券」(非売品)を渡しています。これは返金ではありません。
「流氷が見えそうにないから」と自分の都合でキャンセルすると、ガリンコ号ではキャンセル料がかかります。料金は14日前から段階的に上がり、当日は全額です。
当日の運航は、おーろら号なら公式サイトの「本日の運航状況」と電話、ガリンコ号なら運航情報と電話で確認できます。
ガリンコ号の「再チャレンジ券」は次回に使える割引で、支払ったお金が戻る返金ではありません。
流氷の見頃(例年2月中旬〜3月上旬)

網走で流氷が岸に着く「流氷接岸初日」は、平年(1991〜2020年の平均)で2月4日です。見頃は例年2月中旬から3月上旬で、砕氷船が流氷の中を進むのも、主にこの時期です。
ただし、流氷の時期は年によって大きく変わります。2024年は流氷初日が1月19日、接岸初日が1月22日と早く、2025年は2月15日と2月17日で、前年より1か月ほど遅くなりました。早い時期に出かけると、氷がまだ沖にとどまっていることもあります。
氷が解けて船が航行できるようになる「海明け」は平年で3月15日です。シーズンはおおむね1月下旬から3月下旬と想定しておくとよいでしょう。
なお、網走地方気象台の海氷の目視観測は2025年に終わり、いまは網走市とオホーツク流氷館が天都山の展望台から観測しています。
服装と防寒
網走・紋別の真冬は冷え込みが厳しくなります。気象庁の平年値では、網走の1月は平均気温が-5.1℃、最低気温の平均が-8.9℃、2月は平均-5.4℃、最低-9.6℃です。紋別もほぼ同じです。
さらに船の甲板は海の上で風をまともに受けるため、気温の数値以上に寒く感じます。ガリンコ号の公式サイトも「冬の気温はおよそ-15〜0℃、船の上は特に冷え込む」として、しっかりした防寒をすすめています。
目安として、膝が隠れる丈の厚手のコート、帽子、手袋、マフラーかネックウォーマー、雪で滑りにくい靴を用意してください。使い捨てカイロも持っていくと重宝します。
カメラやスマートフォンの電池は寒さで早く減るので、予備のバッテリーを用意し、本体は内ポケットに入れて冷えを防ぎましょう。
行き方
網走のおーろら号は、最寄り駅がJR網走駅で、乗り場の道の駅「流氷街道網走」までは車で約5分です。最寄りの空港は女満別空港で、羽田からおよそ1時間45分、新千歳からおよそ50分です。
女満別空港から網走バスターミナルへは連絡バスが出ており、所要時間は約35分、運賃は1,050円です。札幌からは都市間バス「ドリーミントオホーツク号」で約6時間かかります。
紋別のガリンコ号へは、羽田からオホーツク紋別空港へANAが1日1往復運航しています。空港から紋別市内へは無料の連絡バスが出ています。
紋別バスターミナルから乗り場の海洋交流館までは、シャトルバス「ガリヤ号」で移動できます。札幌からは都市間バス(要予約)も出ています。
女満別空港から紋別への直通バスはないので、紋別へ行くなら紋別空港か札幌を経由してください。バスの便数や運賃は季節で変わるので、出発前に各社の公式サイトでお調べください。
