日本の飲食店での注文のしかた|券売機の使い方・お通し・呼び出しボタン・会計【2026】

日本の飲食店は「頼み方」で戸惑いがち。券売機の使い方、勝手に出てくるお通し(有料・300〜500円)、卓上の呼び出しボタン、出口レジでの会計まで、入店から支払いまでの流れを順番に解説。チップ不要・表示価格が支払額という基本も押さえます。

Moriby Mori

日本各地を歩き回りたいエディター。日本の小さな日常を発信。

居酒屋のカウンターで、店員が客に生ビールのジョッキを手渡しているところ。木製カウンターには泡の立った生ビールがもう一杯と、箸をのせた小皿が置かれている。

日本のレストランは、料理そのものより「頼み方」で戸惑うことが多い、と海外から来た友人によく言われます。券売機で先に食券を買う店、席に着くと勝手に小鉢が出てくる居酒屋、卓上のボタンで店員を呼ぶ回転寿司。どれも慣れれば簡単なのに、最初の一回は勝手が分からず、戸惑ってしまいます。

このガイドでは、店に入ってから支払いを終えて店を出るまでの流れを、つまずきやすい順に整理します。

先に結論だけ言えば、チップは不要、表示価格がそのまま支払額、支払いは多くの店で出口のレジ(券売機の店だけ先払い)です。

日本の旅の「お金まわり」に関する記事は、日本の支払い方法 完全ガイド現金の引き出し方にまとめてあります。

まず押さえたい4つの基本

店ごとの細かい作法に入る前に、日本のどの飲食店でもだいたい共通する前提が4つあります。これを知っているだけで、会計時の不安はほとんど消えます。

基本

内容

チップは不要

日本にチップの習慣はありません。テーブルに小銭を置いたり、料金に上乗せしたりする必要はありません。

表示価格がそのまま支払額

メニューや店頭の値段は、税込での総額表示が原則です。書かれている金額がそのまま支払額です(居酒屋のお通しやサービス料が別途つく店もあります。後述します)。

店内飲食は10%・持ち帰りは8%

消費税は店内で食べると10%、持ち帰ると8%です。テイクアウトのできる店で「店内でお召し上がりですか」と聞かれるのはこのためです。

個人店は支払いが現金のこともある

大手チェーンはカードやIC、QR決済が使えますが、小さな個人店では現金だけの店も残っています。

チップについてはチップは必要?にまとめました。

税込表示は国税庁が2021年4月から義務づけている総額表示のルールにもとづきます。軽減税率で店内10%・持ち帰り8%に分かれるのは2019年10月からの制度です。

念のため、財布に少し現金を入れておくと安心です。


入店するとき

ドアを開けたら、まず人数を伝えます。指で人数を示すだけでも通じます。「少々お待ちください」と言われたら、入口で待つ合図です。

人気店では、店の前に順番待ちの発券機が置いてあることがあります。画面で人数を選んで番号札を取り、呼ばれるまで待つ仕組みです。行列に並んでいる間に、先に食券を買っておくよう案内される店もあります。予約を受けている店もあるので、混みそうな時間や大人数のときは、事前に予約サイトで席を取っておくと安心です。

混んでいる店では、知らない人と同じテーブルに案内されることがあります(相席)。

日本ではごく普通のことなので、驚かなくて大丈夫です。


注文するとき

日本語だけのメニューを前に、どう頼めばいいか分からず困った、という話はよく聞きます。ただ、言葉が通じなくても注文する方法はいくつもあります。

多くの店には写真付きメニューや、食品サンプル(料理を模した精巧な模型)が並んでいます。食べたいものを指差して「これください」と伝えれば通じます。
スマートフォンの翻訳アプリには、カメラをかざした文字をその場で翻訳する機能があります。読めない品名はこれで確認できます。

チェーン店や観光地の店では、英語や中国語のメニューを用意していることも増えました。「英語のメニューはありますか」と尋ねてみてください。

アレルギーや食事制限がある場合は、遠慮なく店に伝えましょう。「卵は入っていますか」「肉と魚が入っていない料理はありますか」のように、具体的な食材名で聞くと確実です。
日本でとくに注意が必要とされる代表的なアレルギー食材は、卵・乳・小麦・そば・落花生・くるみ・えび・かにの8つです。こうした質問は、翻訳アプリの画面や紙に書いたものを見せると、確実に伝わります。

ベジタリアン・ヴィーガン・ハラルに対応する店も増えていますが、だし(料理の土台となる汁)に鰹節や煮干しなど魚由来の材料が使われていることも多いので、心配なときは必ず確認してください。


券売機(食券機)の使い方

ラーメン店や牛丼・定食のチェーンでよく見かけるのが、入口近くの券売機です。先にお金を入れ、ボタンで料理を選び、出てきた食券を席で店員に渡します。

現金だけの機械と、交通系ICやQR決済が使える機械の両方があります。お札が使えるか硬貨だけか、機械の表示を確認します。
一万円札が使えない機械もあります。千円札を何枚か用意しておくと、両替で困りません。

新しいタッチパネル式の券売機には、英語や中国語に切り替えるボタンが付いていることが増えました。画面の隅にある言語ボタンを探してみてください。

券売機の店は「先払い」なので、食べ終わったらそのまま席を立って帰れます。会計のために並び直す必要はありません。


タッチパネル注文と呼び出しボタン

回転寿司、ファミリーレストラン、居酒屋などでは、卓上のタッチパネルやタブレットで自分で注文する店が増えました。スシローの「デジロー」や、くら寿司のタッチパネルのように、画面から料理を選びます。多くは英語表示に切り替えられます。

タッチパネルがない店では、卓上に「呼び出しボタン」が置いてあることがあります。押すと店員が来てくれる合図です。日本では店員を大声で呼んだり手を大きく振ったりするより、このボタンを押すか、目を合わせて「すみません」と一声かけるのが自然です。

回転寿司では、レーンを流れる皿を自由に取るほか、タッチパネルで注文した料理が別のレーンや専用の台で席まで届く店もあります。食べ終えた皿の枚数で会計する仕組みが多いので、皿は重ねてそのままにしておきます。


居酒屋の「お通し」

居酒屋で席に着くと、頼んでいないのに小さな料理が出てくることがあります。これが「お通し」です。突き出しとも呼びます。

お通しは席料やチャージのような位置づけで、多くの店では有料です。金額は一人あたり300〜500円ほどが目安で、店によってはもう少し高いこともあります。メニューや入口に金額が書かれている店もあるので、気になるときは確認してみてください。

「頼んでいないのに料金が付く」のは海外から来ると意外に感じる部分ですが、席についての最初の一品、という日本の飲み屋の習慣です。対応は店によって違うので、無理に断ろうとせず、席料の一種と考えておくと気持ちが楽です。


会計のしかた

日本の多くの飲食店では、テーブルではなく出口近くのレジで支払います。食べ終わったら伝票を持ってレジへ行くのが基本の流れです。テーブルに座ったまま店員を呼んで払う欧米式とは少し違います。

券売機の店:先払い済みなので、そのまま帰れます。

居酒屋・ファミレスなど:伝票(テーブルの上か、店員が持ってくる)をレジに持って行って払います。

会計は一つのテーブルでまとめて払うのが一般的です。一人ずつ別々に払いたいときは、店によっては断られることもあります。
支払いに使える手段は店によって違います。現金・クレジットカード・交通系IC(Suicaなど)・QR決済の使い分けは、日本の支払い方法ガイドで詳しく説明しています。


食事中の小さな作法

最後に、知っておくと過ごしやすくなる細かな点を挙げます。どれも堅苦しく考える必要はありません。

席に着くと、おしぼりが出ることがよくあります。手を拭くためのもので、顔や首を拭くのは避けるのが上品とされます。

水やお茶は無料で、セルフサービスの店も多くあります。卓上のポットや給水機を使います。出てこないときは頼めば持ってきてくれます。

麺類は音を立ててすすっても失礼にあたりません。日本政府観光局も「遠慮なくすすってよい」と紹介しています。熱いそばやラーメンは、すすった方がおいしく食べられます。

食べ始めに「いただきます」、食べ終わりに「ごちそうさまでした」と言うと、気持ちが伝わります。

居酒屋などでは、閉店前に「ラストオーダー」があります。追加で頼みたいものがあれば、その前に注文しておきましょう。飲み放題プランには時間制限のある店もあります。


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