日本の支払い方法 完全ガイド2026|現金・ICカード・タッチ決済・QRの使い分け

「日本は現金社会」というイメージは、もう半分ほどしか当てはまりません。2025年のキャッシュレス決済比率は58.0%です。交通系ICカード・クレジットカード・現金・QRコード決済を、どの場面でどう使い分ければよいか、2026年の最新情報をもとに整理しました。

Moriby Mori

日本各地を歩き回りたいエディター。日本の小さな日常を発信。

コンビニのレジで、スマートフォンをかざして電子決済をする手元。画面には支払金額「1,102円」が表示されている。

「日本はまだ現金社会だから、現金を多めに持っていったほうがいい」。そう言われて多めに両替してきたものの、実際に来てみるとほとんど使わなかった、という旅行者は最近めずらしくありません。

2025年のキャッシュレス決済比率は58.0%でした(経済産業省)。コンビニもドラッグストアも、ホテルもデパートも、たいていはカードかICカードのタッチで支払いが可能です。
その一方で、路地裏の定食屋、屋台、お寺の拝観料などは、いまも現金払いしかできない場合が多いです。だから本当の問題は「現金か、キャッシュレスか」ではなく、「現金とキャッシュレスをどのように使い分けるか」です。

この記事では、ICカードの買い方や両替の手順といった細かい操作は個別の記事にゆずり、どの場面でどの支払い方法を選べばよいかを、2026年の最新情報にもとづいて整理します。

まず結論:4つの支払い方法と、それぞれの使いどころ

日本での支払い方法は、大きく4つに分けられます。

支払い手段

得意な場面

訪日客の使いやすさ

交通系ICカード(Suica/PASMO)

電車・バス、コンビニ、自販機、少額の買い物

◎ 旅行者向けカードを空港で買える

クレジット/タッチ決済

チェーン店、ホテル、デパート、レストラン、一部の電車

◎ 手持ちのカードがそのまま使える

現金

小さな食堂、屋台、寺社、一部の旅館や銭湯

○ ATMで現金を引き出す必要あり

QRコード決済(PayPay等)

コンビニ・飲食店などの加盟店

△ 日本のアプリは登録が難しいが、Alipay/WeChat Pay利用者は使える

おおまかには、電車や少額の支払いには交通系ICカード、金額の大きい支払いにはクレジットカード、現金は念のため少額だけ用意しておく。この組み合わせが、2026年の日本ではいちばん困りにくい方法です。


交通系ICカード:旅行者が最もよく使う支払い手段

SuicaやPASMOに代表される交通系ICカードは、改札にタッチして電車やバスに乗れるだけでなく、コンビニ、自動販売機、駅構内の売店、多くのチェーン店でも支払いに使えます。小銭を出す必要がなく、タッチするだけで支払いが済むため、旅行中に使う機会が最も多い支払い手段になります。

数年前、半導体不足の影響で、無記名のSuica・PASMOは一時的に販売が中止されていました(2023年に休止)。
その後、2025年3月に販売が再開されたため、2026年現在は問題なく購入できます。

訪日旅行者には、空港で受け取れる旅行者向けのカードが便利です。

Welcome Suica(カード)

デポジット不要。有効期限は購入から28日間です。成田・羽田の専用券売機や、都内の主要駅で購入できます。

Welcome Suica Mobile

2025年に登場したiPhone向けのアプリです。券売機に並ばず、スマートフォンだけでSuicaの発行とチャージができます(2026年7月時点でiPhone専用。有効期限はカード版の28日とは異なるため、アプリ内でご確認ください)。

TOURIST PASMO

2026年5月に登場した旅行者向けのカードです。デポジット不要。有効期限は購入から28日間で、成田・羽田の駅で購入できます。

自分のスマートフォンにモバイルSuica・モバイルPASMOを設定して使う方法もあります。買い方や種類の違い、料金や購入できる場所については、別の記事でくわしく解説しています。


クレジットカード/タッチ決済:手持ちのカードがそのまま使える

Visa、Mastercard、JCB、American Expressなど、海外で発行されたクレジットカードは、チェーン店、ホテル、デパート、規模の大きいレストランであれば、ほとんどの場合そのまま使えます。
最近は、カードを読み取り機にかざすだけで支払えるタッチ決済(コンタクトレス)に対応する店舗も増えています。

旅行者にとって便利な変化が、もう一つあります。2026年3月25日から、関東の鉄道11社局(東京メトロ、都営地下鉄、東急ほか)の54路線・729駅で、クレジットカードのタッチ決済を使って改札を通れるようになりました。
対象となるのは、Visa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Club、Discover、銀聯の7ブランドです。交通系ICカードを持っていなくても、タッチ決済に対応したクレジットカードがあれば、そのまま乗車できる路線が増えています。

ただし、対象となるのは関東の私鉄・地下鉄が中心です。JR東日本(Suicaを発行している会社)の改札は、この相互利用には含まれていません。
交通系ICカードの代わりに、すべてをクレジットカードでまかなえる段階には、まだ至っていない点に注意してください。同じ仕組みは、地方都市にも少しずつ広がっています。

もう一つ、海外発行のクレジットカードを使うときに覚えておきたいことがあります。店頭やタッチ決済の際に「日本円で支払うか、自国通貨で支払うか」をたずねられたら、日本円を選んでください。
自国通貨を選ぶと、店舗側が設定した不利な為替レートで両替されてしまう場合があります。これはDCC(自国通貨建て決済)と呼ばれる仕組みで、くわしくはATMの記事で説明しています。

最後にもう一点。すべての店舗・すべての路線がタッチ決済に対応しているわけではありません。とくに個人経営の小さな店舗では、クレジットカードが使えないこともあります。そうした場面に備えて、交通系ICカードや現金もあわせて持っておくと確実です。


QRコード決済:日本のアプリは登録が難しい

街なかでは「PayPay」のロゴをよく見かけます。日本で最も普及しているQRコード決済ですが、訪日旅行者にとっては利用のハードルがやや高めです。

PayPayの本人確認は日本国内で行うことが前提になっており、海外からは申し込みが難しいためです。短い滞在のために、わざわざ登録する必要はないと考えてよいでしょう。

ただし、まったく使えないわけではありません。PayPayの加盟店では、AlipayやWeChat Payといった海外の決済アプリを、普段から使っている場合はそのまま利用できます。

これらのアプリをすでに持っている方であれば、日本でも同じQRコードで支払える店舗が多くあります。


現金が必要になる場面と、現金の引き出し方

キャッシュレスが広がった現在でも、現金しか使えない場面は残っています。たとえば、個人経営の小さな食堂やカフェ、お祭りの屋台や市場、寺社の拝観料や御朱印、昔ながらの旅館や銭湯、一部のローカルバスなどです。
コインロッカーは交通系ICカードで支払えるものが増えていますが、現金専用のものも残っています。

ただし、多額の現金を持ち歩く必要はありません。こうした場面に備えてある程度の現金を用意しておき、それ以外の支払いは交通系ICカードやクレジットカードでまかなうのが現実的です。

現金が足りなくなった場合は、コンビニや郵便局のATMで引き出せます。日本の銀行の支店にあるATMは、海外発行のカードに対応していないことが多いのですが、セブン銀行(セブン-イレブン店内)とゆうちょ銀行(郵便局)のATMであれば、海外発行のカードでも問題なく現金を引き出せます。手数料や、先ほど触れたDCC(不利なレートでの両替)への対策については、専用の記事にまとめています。


免税(タックスフリー):2026年に制度が変わります

買い物で消費税の免税を受ける予定がある方は、2026年に予定されている制度の変更に注意してください。

現在は、免税店のレジで、その場で消費税が差し引かれる「即時免税」の方式です。同じ店舗で同じ日に税抜5,000円以上の買い物をし、パスポートを提示することで、免税を受けられます。

ただし、この方式が適用されるのは2026年10月31日までです。2026年11月1日の購入分からは、いったん消費税を支払い、出国時に税関で確認を受けたうえで返金される「リファンド方式」に切り替わります。

秋以降に来日する予定の方は、買い物の手順が変わる点を覚えておくとよいでしょう。


旅のあいだに役立つ情報

支払いに関する個別のガイドは、以下の記事にまとめています。

交通系ICカードの買い方・使い方:TOURIST PASMOの買い方

海外発行カードで現金を引き出す:セブン銀行・ゆうちょ・コンビニATMの使い方と手数料

コンビニの使いこなし方:支払い・ATM・サービスの全体ガイド

お金まわりのマナー:日本のチップ事情

※決済比率・手数料・対応ブランド・免税制度は変更されることがあります。最新の情報は各社・各官公庁の公式サイトでご確認ください。

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