8月16日(日)の夜、京都を囲む五つの山に順番に火が入ります。「大文字焼き」と呼ぶ人もいますが、正式には「五山送り火」です。
お盆に迎えた先祖の霊を送る行事なので、花火大会のような演出はありません。どこから火を見るかで、印象は大きく変わります。
初めてなら、出町柳付近をおすすめします。 東山の「大」の字の観覧地点として公式の鑑賞マップに挙げられていて、京阪電車と叡山電鉄の出町柳駅から歩いてすぐです。
京阪電車は京都駅に乗り入れていません。京都駅からはJR奈良線で東福寺へ出て、京阪電車に乗り換えてください。
宿が地下鉄烏丸線沿いなら、観覧には松ヶ崎駅を出てすぐの北山通が向いています。京都駅からでも国際会館行きに乗れば乗り換えなしです。ただしここから見えるのは妙法で、大文字ではありません。
山どうしが離れているので、見る山は1つ、多くても2つに絞ってください。公式の案内に屋台・露店の記載はないので、夕食は先に済ませてから向かってください。
大文字の点火は20時です。以降5分おきに妙法・船形・左大文字・鳥居形へ順に火が入り、どの山も30分ほど燃えます。
お盆の週は京都の宿も列車も混雑します。時期と混雑の見込みは お盆2026はいつ? にまとめています。
五山の点火時刻と鑑賞マップの観覧地点
山ごとの観覧地点は、京都市の公式観光サイトで配布されている「京都五山送り火 鑑賞マップ」にまとまっています。火がともるのは6か所ですが、隣り合う妙と法を1つに数えて五山と呼びます。
山 | 点火 | 鑑賞マップの観覧地点 |
|---|---|---|
大文字(東山如意ヶ嶽) | 20時00分 | 鴨川(賀茂川)付近〔丸太町橋〜御薗橋〕/出町柳付近/吉田山/京都御苑(蛤御門付近) |
妙法(松ヶ崎西山・東山) | 20時05分 | 妙=北山通〔京都ノートルダム女子大学付近〜松ヶ崎駅〕/法=高野川付近〔出町柳より上流、高野橋・御蔭橋・河合橋付近〕・北山通〔松ヶ崎駅より東〕 |
船形(西賀茂船山) | 20時10分 | 賀茂川付近〔出雲路橋付近、北山大橋〜西賀茂橋付近〕 |
左大文字(大北山大文字山) | 20時15分 | 西大路通〔円町〜金閣寺付近〕 |
鳥居形(嵯峨鳥居本曼荼羅山) | 20時20分 | 渡月橋付近/松尾橋付近/広沢池 |
東の大文字と西の左大文字は「大」の一字、妙法は「妙」と「法」の二文字です。船形は船、鳥居形は鳥居をかたどっています。
最後に点く鳥居形が消えるのは20時50分ごろで、行事そのものは1時間足らずで終わります。国立天文台によると、8月16日の京都の日の入りは18時45分です。19時ごろの到着を目安にすると、暗くなる前に観覧場所を決めておくことができます。
気象条件によって、点火や消火の時刻が変わる場合があります。中止や順延の基準は公表されていないため、荒天の予報が出ているときは、当日の公式発表を確認してください。
送り火を見る前の注意点
点火当日は、円滑な点火作業と危険防止のため、各山への登山が禁止されています。大文字山も例外ではありません。
鑑賞マップに挙げられた範囲でも、建物や地形にさえぎられて火が見えない場所があります。京都市観光協会は、橋の上のような狭い場所や道路上で立ち止まって鑑賞するのはやめるよう呼びかけています。歩道の広い場所を選んでください。
同協会は、夜間の河川敷への立ち入りも、足元が暗く転落の危険があるとして控えるよう求めています。川沿いで送り火を見るなら、河川敷に下りずに歩道から見上げてください。
京都御苑では場所取りが禁止されています。砂利道なので、歩きやすい靴で向かってください。
京都市観光協会は、19時50分から20時50分までの1時間、市内一円での一時消灯を呼びかけています。足元を照らすライトがあると心強いです。
金閣寺の拝観は17時までなので、左大文字を境内から見上げることはできません。
有料観覧プランの空き状況(2026年7月30日時点)
予約を受け付けているのは、ウェスティン都ホテル京都の「五山送り火 鑑賞の夕べ2026」です。大人24,200円(税込)で、申し込みは8月16日17時までです。2つある食事会場のうち、片方はすでに完売しています。
ニデック京都タワー展望室の鑑賞チケットは抽選販売で、受付は終了しています。当日券もキャンセル待ちもありません。
8月16日の一般の営業は18時30分まで、最終入場は18時です。18時30分以降は、鑑賞チケットを持つ方のみ入場できます。通常の入場券では、点火の20時に展望室にいることはできません。
京都タワーホテルとホテルモントレ京都のプランも受付を終えています。
護摩木の受付日程と締切
名前や願い事を書いた護摩木は、当日の送り火で焼かれます。送り火に加わりたい方は、受付期間中に納めてください。
山 | 前日までの受付 | 8月16日の受付 |
|---|---|---|
大文字 | 8月14日 12時30分〜17時ごろ/15日 8時〜17時ごろ | 8時〜12時30分ごろ |
妙・法 | 8月15日 10時〜17時ごろ | 10時〜13時ごろ |
船形 | 8月2日〜15日(4日・6日を除く)8時〜16時ごろ | 8時〜10時ごろ |
左大文字 | 8月15日 9時〜14時ごろ | 7時〜14時ごろ |
鳥居形 | 8月13日〜15日 10時〜16時ごろ | 9時〜15時ごろ |
8月16日の受付は、山によって締め切る時刻が違います。船形は10時ごろ、いちばん遅い鳥居形でも15時ごろには締め切られます。 京都市観光協会は、日にちと時間はあくまでも予定で、護摩木がなくなれば早く終了する場合もあると案内しています。
受付場所は山ごとに離れています。大文字は銀閣寺奥の八神社境内(保存会集会所前)、妙法は地下鉄松ヶ崎駅1番出入口の西隣、船形は西方寺駐車場です。左大文字は金閣寺門前(16日は法音寺でも受付)、鳥居形は府道50号線の八体地蔵付近です。
当日の交通規制と臨時列車
送り火に伴う臨時の交通規制は、2026年7月30日の時点では発表されていません。ただし2025年は、京都府警察が規制を実施しました。将軍塚周辺は16時から22時まで、賀茂川・高野川周辺、金閣寺周辺、渡月橋・広沢池周辺はいずれも19時から21時まででした。
この記事で挙げた観覧地点は、その多くが2025年の規制区域に含まれていました。今年も同じ範囲で行われる可能性があるので、車やタクシーで乗り付けない前提で計画してください。
2025年は、この交通規制に伴って市バスが上賀茂・出町柳と嵐山周辺で経路を変更しました(18時50分ごろ〜21時ごろ)。一方、帰りの時間帯には河原町通(河原町今出川→四条河原町→京都駅前)ほか京都駅へ向かう一部系統が、20時ごろから21時ごろに臨時増発されました。
地下鉄では、松ヶ崎・北大路・丸太町・烏丸御池・四条・京都の6駅に職員が配置されました。ただし2025年は、烏丸線の終電延長は案内されませんでした。松ヶ崎から帰るなら、終電の時刻を出発前に調べておいてください。
出町柳から京都市内の中心部へは、京阪電車で南へ向かうと三条・祇園四条に出ます。京都駅へは、東福寺でJR奈良線に乗り換えます。
京阪電車は2026年7月25日に臨時運転を発表しました。増発されるのは出町柳発20時35分と21時01分の急行2本です。ただしこの2本の行き先は淀(京都市伏見区)で、大阪方面へは向かいません。
大阪方面へ帰るなら、淀屋橋行きの特急を利用してください。同じ告知にある出町柳22時39分発と22時57分発は、定期の特急にプレミアムカー(有料の指定席車両)を連結するもので、増発ではありません。これより早い時間に帰るなら、通常ダイヤを事前に確認してください。
公式サイト: 臨時交通規制・観光地周辺交通規制情報
祇園祭との違い/夏のほかの行事
山鉾が街を巡る祇園祭のようなにぎわいはありません。静かに火を見上げて、手を合わせて帰る夜です。一つの山の火が見えているのは30分ほどで、あとは暗い山肌に戻ります。
祇園祭は 祇園祭2026 完全ガイド に、夏のほかの行事は 日本の夏祭りガイド2026 にまとめています。





