8月に日本を旅する予定なら、「お盆」という言葉を覚えておくと役に立ちます。毎年8月中旬、多くの日本人が故郷に帰り、先祖のお墓を訪ねる期間です。国民の祝日ではありませんが、日本の交通と宿がもっとも混み合う数日間のひとつになります。
知らずにこの時期に新幹線に乗ろうとすると、指定席は数週間前から満席で、ホテルも高騰、ということになりかねません。逆に、日付と仕組みを先に知っておけば、慌てずに計画を立てられます。この記事では、2026年のお盆がいつか、旅行にどう影響するか、そして何が開いていて何が閉まるのかを、順番に整理します。
日本の休日と旅行全体の流れは 日本の祝日ガイド2026年7〜12月 にまとめてあります。あわせて読むと、8月以降の予定が立てやすくなります。
お盆2026はいつ?
多くの地域では「月遅れ盆」と呼ばれる8月中旬がお盆にあたります。2026年は次のとおりです。
日付 | 曜日 | 位置づけ |
|---|---|---|
8月11日 | 火 | 山の日(国民の祝日) |
8月13日 | 木 | 迎え火(お盆の入り) |
8月14日 | 金 | お盆の中日 |
8月15日 | 土 | お盆の中日 |
8月16日 | 日 | 送り火(お盆明け) |
多くの会社は8月13〜14日を「お盆休み」とし、前の山の日(11日)や土日とつなげて夏休みにします。2026年は8月11日の山の日が火曜にあたるため、間の12日を足すと、11日から16日まで6日続けて休む人が多くなります。前後にさらに有給を重ねて、10日ごろから長い休みを取る人もいます。旅行需要が一年で最も集中する時期のひとつです。
地域によって時期が違う点にも触れておきます。東京の一部や神奈川、金沢などでは、7月13〜16日の「7月盆(新盆)」でお盆を迎える家庭があります。沖縄は旧暦で行うため毎年日付が動き、2026年は8月25〜27日ごろです。旅行の計画では、全国的に混み合う8月中旬を基準に考えておくとよいでしょう。
そもそもお盆とは

お盆は、先祖の霊を家に迎えて供養する仏教由来の期間です。13日の夕方に「迎え火」を焚いて霊を迎え、16日の夜に「送り火」で送り出します。キュウリやナスに割り箸を挿した「精霊馬(しょうりょうま)」を飾る家庭もあり、キュウリの馬で早く帰ってきてもらい、ナスの牛でゆっくり帰ってもらう、という願いが込められています。
旅行者が実際に目にできる行事もあります。代表的なのが京都の 五山送り火 で、2026年は8月16日(日)の夜、20時に大文字の点火から始まり、5分おきに妙法・船形・左大文字・鳥居形へと火が移ります。徳島の阿波踊り(8月11〜15日)のように、お盆と重なる大きな祭りもあります。各地の盆踊りも、この時期の夏の風物詩です。
旅行への影響:混雑・料金・天気

お盆でいちばん実感するのは、移動の混雑と料金の上がり方です。
都市から地方へ向かう「帰省ラッシュ」と、地方から都市へ戻る「Uターンラッシュ」で、新幹線・高速道路・空の便が二段階で混みます。前半に下り(地方行き)が、後半に上り(都市戻り)がピークを迎えるのが例年の傾向です。参考までに、2025年のお盆は高速道路各社が8月7〜17日の11日間で10km以上の渋滞を約479回と予測していました。2026年の渋滞・混雑予測は例年7月中旬に発表されるため、出発前に最新の情報を確認してください。
新幹線は指定席が早い段階で埋まります。宿泊、国内線、レンタカーも、この時期は料金が上がり、早めに満室・満席になりやすいです。予定が決まっているなら、席と宿は決まった時点で早めに押さえておきましょう。
もうひとつ、8月中旬は台風シーズンでもあります。気象庁の統計では台風の接近・上陸は8〜9月に多く、新幹線や飛行機が止まることがあります。繁忙期は座席が埋まっているため、運休すると振り替え予約が取りにくくなります。日程に少し余裕をもたせ、変更しやすい切符や予約を選んでおくと安心です。連日の暑さも厳しいので、屋外で過ごすときは水分補給と休憩を忘れずに取りましょう。
新幹線の乗り方そのものは 新幹線の乗り方完全ガイド2026 に、荷物を身軽にする方法は 東京で荷物を預ける完全ガイド2026 にまとめています。
新幹線の指定席を確実に取る
繁忙期に自由席頼みで動くのは避けたいところです。指定席の予約ルールを押さえておきましょう。
発売開始 | 乗車日の1か月前・午前10時から(JR全国共通) |
|---|---|
事前の申し込み | えきねっと等で「事前受付」が可能。ただし席の確定は1か月前の10時 |
ジャパン・レール・パス | 追加料金なしで指定席を予約・発券できる |
注意 | JRパスでは「のぞみ」「みずほ」に乗れない(別途利用券が必要) |
指定席の特急料金は時期によって変わり、お盆は割高になります。東海道・山陽新幹線では8月13・14日が通常期+200円、15・16日が+400円です。JR東日本の新幹線は8月11〜19日が+400円になります(いずれも通常期との差)。金額は使う路線と日付で変わるので、予約時に確認してください。
ジャパン・レール・パスを使う旅行なら、指定席は駅の指定席券売機やみどりの窓口で無料で取れます。繁忙期こそ、乗る列車を決めて早めに予約しておきましょう。パスの元が取れるかどうかは ジャパン・レール・パスは元が取れる?2026年版 で判断できます。
お盆に、何が開いて何が閉まる?
年末年始ほど街全体が止まるわけではありません。多くの施設は通常どおり営業しています。混同しやすいので、開くものと閉まりやすいものを整理します。
種類 | お盆期間の状況 |
|---|---|
コンビニ・チェーン飲食・大型モール | 通常営業 |
主要観光施設・テーマパーク | 営業(東京ディズニー・USJも営業。混雑しやすい) |
公共交通 | 通常運行〜臨時増発 |
銀行・役所の窓口 | 窓口が開くのは平日の8月13・14日のみ(11日は祝日、15・16日は土日で休み)。ATMは稼働 |
個人経営の飲食店・商店 | 数日「お盆休み」で閉めることがある |
中小の美術館・工房、地方の小さな店 | 変則的な休みがある |
お盆そのものは祝日ではありませんが、2026年は山の日(11日)と土日が期間に重なるため、銀行や役所の窓口が開くのは実質13日と14日だけです。両替や窓口での手続きは、この2日に済ませておくと確実です。ATMやネットバンキングは通常どおり使えます。
大きなチェーンや観光地は通常どおり営業していて、閉まりやすいのは家族経営の小さなお店です。行きたい個人店がある場合は、営業日を事前に確認しておきましょう。正月とは違い、旅の行動そのものが止まることはありません。
訪日旅行者のためのチェックリスト
お盆にあたっても、準備しておけば快適に旅ができます。出発前に次の点を確認してください。
- 移動日と宿泊は早めに予約する(指定席は1か月前の10時から)
- 可能ならピークの下り・上りの日を1〜2日ずらす
- 台風で止まることを見込み、変更しやすい切符や予約を選ぶ
- 両替や役所の手続きは、窓口が開く8月13・14日に済ませる
- 大きな荷物は宅配やコインロッカーに預けて身軽に動く
- 個人店に行くなら営業日を事前に確認する
お盆は、日本じゅうで人の移動が一年で最も増える時期です。仕組みを知っていれば、混雑を避けながら、送り火や盆踊りといったこの季節ならではの風景も楽しめます。日付と予約のタイミングだけ、先に押さえておきましょう。
