土用の丑の日 2026:7月26日、日本で真夏にうなぎを食べる日

2026年の夏の土用の丑の日は7月26日(日)。なぜ日本人は一年で最も暑い時期にうなぎを食べるのか—平賀源内の逸話から、うな重・ひつまぶしなど呼び名の違い、関東と関西の焼き方、スーパーから老舗専門店までの値段の目安まで、旅行者向けにまとめました。

Moriby Mori

日本各地を歩き回りたいエディター。日本の小さな日常を発信。

黒い重箱に盛られたうな重。白いご飯の上にタレで照り焼きした蒲焼きのうなぎが並び、中央に木の芽を添え、右手前では竹の箸でうなぎとご飯を一切れ持ち上げている。

夏の盛り、日本の街のあちこちに「うなぎ」の一文字が並びます。スーパーの入口には特設売り場ができ、老舗の店先には整理券を求める行列。これが「土用の丑の日(どようのうしのひ)」です。2026年は7月26日(日)。この日はうなぎを食べる人が一気に増えます。旅行中にこの熱気を見かけたら、由来を知っているだけで、その光景がもっと面白く見えてきます。ここでは、なぜこの日にうなぎなのか、どこで、いくらで食べられるのかを、旅行者の目線でまとめました。

2026年の土用の丑の日はいつ?

2026年の夏の土用の丑の日は7月26日、日曜日です。

年によっては「二の丑(にのうし)」といって同じ夏に2回めぐってくることがありますが、2026年は1回だけです。

うなぎを食べたいなら、この一週間ほどが本番です。ただし当日はどこも混み合い、専門店もスーパーも売り切れが出ます。数日前から予約しておくか、丑の日の直前・直後に日をずらすのがおすすめです。


そもそも「土用の丑の日」とは何か

「土用」は季節の変わり目を指す暦の区切りで、立春・立夏・立秋・立冬それぞれの直前およそ18日間を指します。つまり土用は年に4回あり、夏だけのものではありません。

「丑の日」は、十二支(子・丑・寅…と続く干支)を1日ずつ順番に当てはめた呼び名です。12日でひと巡りするので、18日ある土用の期間には丑の日が1回、年によっては2回めぐってきます。この「夏の土用」と「丑の日」が重なるのが、うなぎで有名なあの日です。


なぜ、うなぎなのか

実はこの習慣、はっきりした起源はわかっていません。

いちばん有名なのは、江戸時代の学者・平賀源内(ひらが げんない)が、夏に売れずに困っていたうなぎ屋のために「本日、土用の丑の日」と看板を出させたところ大繁盛した、という話です。ただしこれは確かな記録が残っておらず、あくまで俗説として語られています。

背景には、「丑の日に『う』のつくものを食べると夏負けしない」という古い言い伝えがあります。うなぎはまさにその「う」。ほかにも梅干し・瓜・うどんなどが仲間です。うなぎはビタミンやミネラルを豊富に含み、暑さで食が細る時期の夏の滋養として親しまれてきました。栄養だけで夏バテが消えるわけではありませんが、精のつくものを食べて夏を乗り切ろうという、縁起をかつぐ夏の行事として今も生きています。


うなぎ料理の呼び名を覚える

(ひつまぶし)

店に入って迷わないよう、代表的な言葉を押さえておきましょう。

呼び名

どんな料理か

うな重(うなじゅう)

蒲焼きを重箱のご飯にのせたもの。専門店の定番

うな丼(うなどん)

丼にのせた、うな重より手軽な一杯

蒲焼き(かばやき)

開いたうなぎを串に刺し、甘辛いタレで焼いたもの

白焼き(しらやき)

タレをつけず素焼きにしたもの。わさびや塩でさっぱりと

肝吸い(きもすい)

うなぎの肝が入った澄まし汁。うな重によく添えられる

ひつまぶし

刻んだ蒲焼きをご飯にのせた名古屋名物(後述)

名古屋の名物「ひつまぶし」は食べ方が独特です。まずしゃもじでご飯を十字に4等分し、一杯目はそのまま、二杯目はねぎやわさびなどの薬味をのせて、三杯目は出汁をかけてお茶漬けにして、最後は気に入った食べ方でもう一度味わいます。ひとつの器で三つの表情を楽しめる、旅の記憶に残る一杯です。


関東と関西で、焼き方が違う

同じうなぎでも、東と西で仕立てが変わります。この違いを知っていると、食べ比べが一段と面白くなります。

関東(江戸前)

関西

開き方

背開き

腹開き

焼く前

一度蒸してから焼く

蒸さずにそのまま焼く

竹串

金串

仕上がり

ふっくらと柔らかい

香ばしく身が締まる

関東で背開きにするのは、武士の町・江戸では「腹を切る」を嫌ったからだとよく言われます。東西の境目は、おおよそ静岡・浜名湖のあたりだといわれます。東京で食べるうなぎは、蒸しの工程が入ったやわらかい仕立てが基本です。


いくらくらいが目安?

正直に言えば、うなぎは安い食べ物ではありません。ニホンウナギは稚魚の不漁が続き、環境省とIUCN(国際自然保護連合)のレッドリストで絶滅危惧種に指定されています。近年は値上がりが続いており、旅行の予算には少し余裕をみておくと安心です。

どこで買う・食べる

値段の目安

スーパー・コンビニの蒲焼き

2025年夏時点で100gあたり1,400円前後。1パックおよそ1,500〜3,000円

チェーン店・定食

おおむね1,500〜3,000円台

老舗・専門店のうな重

3,000円台から。名店では1万円を超える等級も

同じうな重でも「松・竹・梅」のように量や産地で値段が分かれる店が多く、まずは一番手頃な等級から試すのがおすすめです。


東京でうなぎを食べるなら

東京には江戸の頃から続く名店がいくつもあります。旅行者でも訪ねやすい老舗を挙げておきます。

駒形前川(こまがた まえかわ)ー浅草

隅田川とスカイツリーを望む老舗。うな重は6,300〜9,300円、最上位の等級は12,000円。

野田岩(のだいわ)ー麻布・赤羽橋

江戸後期から続くとされる名店。白焼きにも定評。

尾花(おばな)ー南千住

東京を代表する一軒として知られる。

いずれも丑の日の前後はたいへん混み合います。

予約を受ける店もあれば、予約を取らずに並んで入る店もあり、入り方は店ごとに異なります。昼と夜で営業時間が分かれていたり、不定休だったり、現金のみだったりする店も少なくありません。訪ねる前に、営業案内と支払い方法を確かめておくと安心です。


名古屋・関西で食べるなら

旅の行き先が東京以外でも、うなぎの名店はあります。

あつた蓬莱軒(あつた ほうらいけん)ー名古屋・熱田

「ひつまぶし」発祥とされる老舗(同店の登録商標)。まず訪ねたい一軒。

京極かねよ(きょうごく かねよ)ー京都・新京極

うなぎ丼にだし巻き卵をのせた名物「きんし丼」で知られる。

名古屋のひつまぶし、京都のきんし丼のように、うなぎには土地ごとの顔があります。関西では蒸さずに焼く香ばしい仕立てが主流なので、東京で食べたうなぎとの違いも楽しめます。


専門店でなくても、うなぎは食べられる

予算や時間が限られていても、あきらめる必要はありません。丑の日が近づくと、スーパーやデパ地下、コンビニに蒲焼きやうなぎ弁当が並び、予約販売も始まります。ホテルの部屋で温めて食べれば、専門店よりずっと手頃にあの味を楽しめます。

温めるときは、少量の酒をふって蒸すようにするとふっくら仕上がります。仕上げに山椒(さんしょう)をひとふりすると、香りが立って本格的な味わいになります。

最後に、うなぎにちなんだ土産をひとつ。浜松の銘菓「うなぎパイ」は、うなぎの粉を練り込んだ細長い焼き菓子です。料理のうなぎとは別物ですが、旅の土産として長く親しまれています。


この夏、うなぎを味わう

土用の丑の日は、暑さのピークをうなぎで乗り切ろうという、日本の夏の小さな行事です。2026年は7月26日。専門店でじっくり味わうもよし、スーパーで買って気軽に試すもよし。この日の街のにぎわいごと、旅の思い出にしてみてください。

うなぎで精をつけたら、次は涼を。夏のもう一つの主役は「日本のかき氷ガイド2026」にまとめています。


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