「回転寿司は1皿100円」。そう思って東京の店に入ると、少し戸惑うことになるかもしれません。
たとえば浅草のくら寿司(グローバル旗艦店 浅草ROX店)は、公式の店舗ページに「1皿150円〜」と書かれています。ところが同じくら寿司でも、1皿115円から食べることができる店舗があります。同じチェーン、同じ看板で、値段が違うのです。
この記事では、大手3チェーンであるスシロー・くら寿司・はま寿司について、価格の仕組みと各社の違い、そしてタッチパネルでの注文から会計までの流れを、各社の公式情報だけをもとに整理します。回転寿司に限らない日本の飲食店の作法は、日本の飲食店での注文のしかた|券売機の使い方・お通し・呼び出しボタン・会計【2026】 にまとめています。
同じチェーンでも、店によって値段が違う
最初に、いちばん誤解されやすいところから説明します。3社とも、全国一律の価格ではありません。
くら寿司は公式のメニューページで、店舗を「一皿115円〜」「一皿120円〜」「一皿130円〜」「一皿150円〜」の4つに分けて案内しています(いずれも税込)。同じ看板でも、店によって最も安い皿の値段が35円違うということです。
はま寿司の公式メニューでは、最も安いにぎりが税込110円です。こちらも、通常の店舗とは品目や価格が異なる「都市型店舗」があると案内されています。
スシローには全店共通の価格表がありません。公式サイトに店舗ごとのメニューページがあり、そこに価格が掲載されています。たとえば有楽町店を見ると、通常メニューのにぎり寿司で最も安い価格帯は1皿150円(税込)です。
ここで気づいてほしいことがあります。旅行者が向かうのは、たいてい浅草・渋谷・秋葉原・有楽町といった都心の駅前です。そうした駅前にあるのは、各社が「都市型店舗」や「グローバル旗艦店」などと呼ぶ店です。つまり、旅行中に立ち寄りやすい店ほど、価格帯は上に設定されています。
なぜ都心の店が高いのか、各社の公式サイトに理由の記載は見当たりません。ただ、事実として価格帯は分かれています。裏を返せば、郊外の店に足を延ばせば115円の皿があるということです。どちらが良い悪いではなく、「行く店によって1皿あたり30円以上変わる」と知っておけば、会計で驚かずに済みます。
3チェーンの違い
まず全体像です。
チェーン | 最も安い1皿(税込) | その店ならではの仕組み | 運営会社 |
|---|---|---|---|
スシロー | 店舗ごとに異なる(有楽町店は150円) | デジロー(画面の寿司をタップして注文) | 株式会社あきんどスシロー |
くら寿司 | 115円〜(店舗の価格帯による) | ビッくらポン!(皿5枚でゲーム) | くら寿司株式会社 |
はま寿司 | 110円〜 | 卓上に醤油が5種類 | 株式会社はま寿司(ゼンショーホールディングス) |
味の好みは人それぞれなので、ここでは順位を付けません。代わりに、3社が公式に説明している「その店ならではの仕組み」を、ひとつずつ紹介します。旅の思い出という意味では、この違いのほうがずっと大きいと思います。
スシロー:画面の中を流れる寿司を、指でタップする

スシローの一部店舗には「デジロー」という大型のタッチディスプレイが導入されています。画面の中を寿司が流れていき、食べたいものを指でタップすると注文が入る仕組みです。レーンを流れる皿を取るという回転寿司の感覚を、そのまま画面に移したものです。
注文した品は「オートウェイター」を通って、テーブルごとの専用レーンで席まで届きます。急いで手を伸ばす必要はありません。
ひとつ注意があります。デジローがあるのは一部の店舗で、公式サイトによれば導入店舗は拡大中です。都心の有名店だからといって導入されているとは限りません。行きたい店にデジローがあるかどうかは、公式のデジロー特設ページと店舗検索で確認してください。店舗ページからは、その店のメニュー価格も確認できます。
公式サイト: デジローで回転すしに、もっとワクワクを。新たな食体験をスシローで。
デジローってなに? | 回転寿司 スシロー
くら寿司:皿を5枚入れると、ゲームが始まる

くら寿司のテーブルには、食べ終えた皿を入れる投入口があります。皿を5枚入れるごとに「ビッくらポン!」というゲームが目の前の画面で始まり、当たるとガチャ玉に入った景品が出てきます。子ども連れの食事が、これだけで一気に楽しくなります。
会計も特徴的です。テーブルの「お会計ボタン」を押せば、店員を呼ばずに自分で会計を済ませることができます。支払いはクレジットカード、電子マネー、Pay決済に対応しています。
浅草で観光の合間に立ち寄るなら、浅草ROX店があります。くら寿司が公式に「グローバル旗艦店」と位置づけている店舗で、浅草ROXの4階、272席の大型店です。席数に余裕がある分だけ、待ち時間も読みやすいと思います。前述のとおり1皿150円からで、一部の商品や価格が通常の店舗とは異なります。
店舗 | くら寿司 グローバル旗艦店 浅草ROX |
|---|---|
住所 | 東京都台東区浅草1-25-15 浅草ROX 4F |
営業時間 | 月〜金 11:00〜23:00/土日 10:20〜23:00 |
価格 | 1皿150円〜(税込) |
席数 | 272席 |
はま寿司:卓上に、醤油が5種類ある

はま寿司の卓上には、醤油のボトルが5本並んでいます。同じ寿司でも、付ける醤油を変えると印象が変わります。ネタごとに使い分けてみると、これはこれで飽きません。
- 特製だし醤油
- 関東風濃口醤油
- 北海道昆布醤油
- 九州風さしみ醤油
- 四国風ゆずぽんず
なお、西日本の店舗では「関東風濃口醤油」の代わりに「関西風甘口醤油」が置かれています。東京で食べた味を関西でもう一度、というわけにはいかないのが面白いところです。
東京では、秋葉原電気街口店が観光の途中で立ち寄りやすい店舗です(東京都千代田区外神田1-18-18 BiTO AKIBA PLAZA 3F、月〜金11:00〜23:00/土日祝10:00〜23:00)。
入店から会計までの流れ
先にひとつ言っておきます。「ベルトを流れてくる皿を自由に取る」という体験ができるかどうかは、いまや店の形式によります。タッチパネルで注文し、テーブルごとの専用レーンで自分の注文が届く店舗が増えました。着席したら、まず目の前の設備がどちらなのかを確かめてください。
流れそのものは3社で共通しています。入口に受付機がある店舗では、人数を入力して発券し、番号が呼ばれるまで待ちます。席に着いたら、目の前のタッチパネルで言語を切り替えます。対応する言語は店舗によって異なるので、画面の言語ボタンを最初に探してください。
注文はタッチパネルから行います。専用レーンで届く店舗では、届いた皿をそこから取ってください。
食べ終えたら会計です。くら寿司は「お会計ボタン」を押せば自分で会計を済ませることができ、それ以外の店では店員を呼ぶかレジに向かいます。皿の枚数は席で自動的に集計されるので、自分で数える必要はありません。
来店予約については、スシローが公式アプリからの予約に対応しています(一部店舗を除く)。土日の昼時は待ち時間が長くなりやすいので、事前に予約しておくと安心です。
支払い方法
キャッシュレスへの対応は進んでいますが、対応する決済手段は店舗によって異なります。
スシローはクレジットカード、デビットカード、二次元コード決済(PayPay、楽天ペイ、d払い、au PAY、メルペイ、Alipay、WeChat Payなど)に対応しています。くら寿司はクレジットカード、電子マネー、Pay決済に対応しています。
はま寿司は現金とクレジットカードのほか、店舗ごとに各種キャッシュレス決済に対応しています。たとえば秋葉原電気街口店では、交通系電子マネー、PayPay、au PAY、d払い、楽天ペイ、Alipay+、WeChat Pay、iD、QUICPayなどが利用可能です。
交通系ICカード(SuicaやPASMO)については、3社の全店で利用できるという案内を各社公式サイトで確認できませんでした。一方で、上のはま寿司 秋葉原電気街口店のように、店舗単位では交通系電子マネーに対応する店があります。行く店の公式店舗ページで対応する決済手段を見ておくと確実です。日本での支払い全般は、日本の支払い方法 完全ガイド2026|現金・ICカード・タッチ決済・QRの使い分け で解説しています。
持ち帰りもできる

3社とも持ち帰りに対応しています。ホテルの部屋で食べたい日や、新幹線に乗る前に買っておきたい日に向いています。
スシローはネットで事前に注文しておき、店内の自動土産ロッカーで受け取ることができます。レジに並ばずに済むので、移動の途中でも時間を読みやすい方法です。くら寿司とはま寿司も、それぞれ公式サイトから持ち帰りの注文を受け付けています。
迷ったら、浅草のくら寿司へ
初めての1軒として選ぶなら、私は浅草ROX店をすすめます。1皿150円からと安い店ではありませんが、くら寿司自身が「グローバル旗艦店」と位置づける店で、皿を投入するとゲームが始まる仕掛けもあり、席数は272と余裕があります。「日本の回転寿司を体験する」という一点で見れば、ここが分かりやすい1軒です。
そして次に地方や郊外を訪れたとき、同じチェーンの看板の下で115円の皿を見つけてください。この値段の差も、いまの日本の外食を映すひとつの姿です。


