京都の紅葉は、どこを見るか以上に「どう動くか」で一日の満足度が決まります。シーズンの京都は一年で最も混み合い、とくに市バスは満員で乗車できないほど混雑します。
しかも、かつて定番だった観光客向けの「バス1日券」は廃止されました。この記事では、混雑を避けるにはどう移動すればよいかを、現行のパスと鉄道ルートに絞ってまとめます。
紅葉の見頃やスポットそのものは 京都の紅葉2026 に別記事があります。ここは「移動と混雑対策」に特化した実務編として読んでください。
紅葉期の京都は、バスを当てにしないのが基本です。市バスの1日券は廃止され、京都市も地下鉄の利用を呼びかけています。地下鉄・鉄道と徒歩で組み立てると、混雑の影響を受けにくくなります。
運賃・パスは2026年8月時点の現行のものです。夜の拝観など日程が年ごとに変わるものは2025年の実績を目安に載せているので、行く前に各公式で最新をご確認ください。
まず結論:紅葉期の移動はバス以外が基本

観光客向けの「バス1日券」は、2023年9月末で発売を終え、2024年3月末で利用できなくなりました。市バスの混雑を地下鉄へ振り分けるための廃止で、その後も復活していません。
京都市自身も、紅葉シーズンには地下鉄の利用を呼びかけています。2025年秋は、地下鉄烏丸線を日中に82往復から94往復へ増発し、京都駅で「地下鉄・バス1日券」を臨時販売するなどの対策をとりました。2026年秋の対策はまだ発表されていません。
そのため、紅葉スポットへはできるだけ鉄道や地下鉄で最寄りまで行き、あとは徒歩で、という組み立てが基本になります。
現行の交通パス早見
いま京都で使える主なパスを整理します。市バスに1回だけ乗るなら、均一運賃は大人230円です。
パス | 大人料金 | おもな範囲 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
地下鉄・バス1日券 | 1,100円 | 地下鉄全線+市バス+一部の民営バス(JR・京都・京阪バス) | 市内をバスと地下鉄で広く回る |
地下鉄1日券 | 800円 | 地下鉄のみ | 移動の軸が地下鉄沿線 |
地下鉄・嵐電1dayチケット | 1,300円 | 地下鉄+嵐電(市バス不可) | 嵐山と市内を1日で |
嵐電1日フリーきっぷ | 700円 | 嵐電全線 | 嵐山エリアで乗り降り |
かつての安いバス専用1日券は廃止されたので、いまバスに乗り放題のパスは「地下鉄・バス1日券」(1,100円)だけです。市バスだけで動くなら、5回ほど乗って初めてこのパスのほうが割安になります。地下鉄と組み合わせて1日に5回以上乗る日に向いています。
券は地下鉄駅の窓口・券売機や案内所で購入でき、交通系ICカードも利用できます。
なお京都市は、2027年度をめどに、市民とそれ以外で運賃を分ける二段階運賃の導入を目指すと表明しています(2026年8月時点では未実施)。現時点の市バス均一運賃は230円です。
関西の私鉄を横断する広域パスもありますが、市バスやJR・嵐電が対象外になるなど範囲にくせがあります。京都だけを回るなら、市販の「地下鉄・バス1日券」のほうがシンプルで使いやすいです。
観光特急バス(EX100・EX101)は土日祝だけ
2024年に登場した観光客向けの速達バスです。停留所を絞って、清水寺や銀閣寺の方面へ速く着くのが売りです。
1乗車は大人500円で、通常の均一運賃230円より高めですが、「地下鉄・バス1日券」なら追加料金なしで乗車できます。
ただし運行は土曜・休日や年末年始などで、平日は走りません。平日に東山へ向かうときの行き方は、次の章にまとめます。
EX100は京都駅前から五条坂(清水寺)・祇園・岡崎(平安神宮)を経て銀閣寺前まで、EX101は京都駅前と五条坂(清水寺)を結びます。
主要エリアの行き方

混雑する紅葉スポットの多くは、実は鉄道で最寄りまで行くことができます。
- 東福寺…JR奈良線・京阪「東福寺」駅から徒歩約10分で、バスに頼らず到着できます。秋は通天橋が8:30に開門するので、混雑前の朝いちばんに訪れるのがおすすめです。
- 清水寺・東山…紅葉期で最も混むエリアです。最寄りは京阪「清水五条」駅で、清水寺までは徒歩約20〜25分の上り坂になります。土日祝は観光特急バスEX100が京都駅前から五条坂(清水寺)まで速く走ります。
- 嵐山・嵯峨…JR嵯峨野線「嵯峨嵐山」、阪急「嵐山」、嵐電「嵐山」の3ルートがあります。市内中心部と嵐山を1日で結ぶなら、地下鉄・嵐電1dayチケット(1,300円)を利用できます。
- 永観堂・南禅寺…地下鉄東西線「蹴上」駅から徒歩約15分。バス停「南禅寺・永観堂道」からは徒歩約3分ですが、紅葉期のバスは遅れがちなので、地下鉄と徒歩のほうが確実です。
- 貴船・鞍馬…叡山電鉄で出町柳から向かいます。市原〜二ノ瀬の「もみじのトンネル」では、2025年は夜のライトアップが11月7日〜24日に行われ、徐行運転は紅葉の状況で11月30日まで延長されました。ダイヤの増発は12月中旬まで続きますが、夜のライトアップは11月下旬で終わるので、見るなら11月中を目安にしてください。当年の期間は叡電公式でご確認ください。
- 高雄(神護寺)…バス便が中心で、京都駅からJRバスで約50分。バス停からは高雄橋を渡り、約350段の石段を上って神護寺へ向かいます。徒歩約20分の道のりで、山あいのため所要時間が読みにくいエリアです。「地下鉄・バス1日券」のJRバス均一区間に含まれます。
- 北野天満宮…嵐電「北野白梅町」駅から徒歩約7分、または市バス「北野天満宮前」から向かいます。
混雑を避ける動き方
同じスポットでも、訪れる時間と回る順番で混み具合の感じ方がまるで変わります。
まず大切なのは、朝いちばんに拝観することです。多くの寺の開門は9:00前後で、東福寺の通天橋は秋季8:30に開きます。開いてすぐの時間帯が最も静かです。
次に、混み具合を先読みしておくことです。京都市と京都市観光協会の「京都観光快適度マップ」で、エリアごとの時間帯別の混雑予測を事前に確認できます。
夜の拝観は、当年の日程を必ず確認してください。以下は2025年の実績で、2026年の日程・料金は各寺の公式で改めてご確認ください。
- 清水寺…2025年11月22日〜12月7日、17:30〜21:00、大人500円、事前予約は不要。
- 永観堂…2025年11月15日〜12月10日、17:30〜20:30受付、中学生以上700円。
- 高台寺…2025年10月24日〜12月14日、17:00〜22:00(受付21:30)、大人600円。
- 北野天満宮のもみじ苑…2025年11月1日〜12月10日。もみじ苑は9:00開苑で、ライトアップは日没〜20:00(最終受付19:40)。入苑1,200円(茶菓子付き)で、三脚での撮影はできません。
なお東福寺では、混雑時に、通天橋と臥雲橋の上での撮影を控えるよう案内されることがあります。写真は橋の外から撮影しましょう。
荒天時の扱いは各寺で異なるため、雨の予報の日は公式の案内を確認してから出かけると安心です。
紅葉期の体験は早めに予約
移動の計画が固まったら、混みやすい体験は先に押さえておくと当日が楽になります。着物やトロッコ列車は紅葉期に早く埋まるので、日程が決まったら予約しておきましょう。
着物で嵐山や清水の紅葉を歩くなら 京都の着物レンタル(VASARA) で予約できます。嵯峨野のトロッコ列車で保津峡の紅葉を眺めるなら、トロッコ列車を含む京都の1日ツアー で移動と観光をまとめて手配できます。トロッコは紅葉期にとくに早く売り切れます。

