七月の中ごろ、東京の真ん中にある靖国神社が、無数の提灯の明かりで埋め尽くされます。みたままつりです。
参道から神門にかけて約3万の御神燈(みあかし)が連なり、日が暮れると、ぼんやりとした暖かい光が一面に灯ります。
夜店のにぎわいというより、光と祈りの夜祭りです。2026年は7月13日(月)から16日(木)までの4日間。なお2026年は通常の露店(屋台)が出ず、食事は外苑のキッチンカーが中心になります。
この記事では、日程と見どころ、そして海外から訪れる人が知っておくと安心な実用情報をまとめます。
みたままつりとは

みたままつりは、亡くなった人の御霊(みたま)を慰めるお盆の行事を起こりとする夏祭りです。靖国神社では1947年(昭和22年)に始まり、2026年で第79回を迎えます。お盆は、祖先の霊が帰ってくるとされる日本古来の信仰で、各地で迎え火や盆踊りが行われます。靖国神社の英語案内では、靖国神社の盆踊りを「東京で最も早く行われる盆踊り(the earliest Bon Odori dance in Tokyo)」と紹介しています。
靖国神社は、近代以降の戦争などで国のために亡くなった人々を祀る神社です。歴史的にさまざまな見方がある場所でもあります。お祭りの夜であっても、ここは祈りの場であることを心に留めて、静かに過ごす人のじゃまにならないよう振る舞うと、気持ちよく楽しめます。
2026年の開催情報
2026年(第79回)の基本情報は次のとおりです。
日程や時間は靖国神社の公式案内にもとづいています。
名称 | 第79回 みたままつり |
日程 | 2026年7月13日(月)〜16日(木)の4日間 |
開門 | 午前6時(祭り期間中は夜遅くまで参拝できます) |
入場 | 境内への参拝は無料 |
献灯(みあかし)の明かりがいちばんきれいに見えるのは、暗くなってからです。
日が落ちて提灯に火が入ると、参道全体が光のトンネルのようになります。
昼間に来ても燈籠の展示やぼんぼりは見られますが、この祭りの主役はやはり夜の灯りです。時間に余裕があれば、夕方に着いて、明るいうちに境内を歩き、暗くなるのを待つとよいでしょう。
約3万の御神燈(みあかし)

この祭りの見どころは、なんといっても提灯の数です。大小あわせて3万を超える御神燈が、参道の両側にびっしりと掲げられます。一つひとつに奉納した人の名前が書かれていて、それが端から端まで続く様子は、写真でも実物でも圧倒されます。日が暮れてから夜遅くまで灯り続けます。
灯りの中には、各界の著名人が揮毫した「懸ぼんぼり(かけぼんぼり)」も並びます。例年300灯ほどが掲げられ、俳優や作家、力士などの筆による一灯を探しながら歩くのも楽しみのひとつです。このほか、俳句を記した献句ぼんぼり、全国の名物燈籠を集めた展示、仙台七夕の飾りなども境内を彩ります。
御神燈は見るだけでなく、自分で奉納することもできます。小型献灯は1灯5,000円で、みたままつりの当日まで申し込みを受け付けています。滞在の記念に、自分の名前で一灯を灯してみるのも、この祭りならではの体験です。
4日間の見どころ
みたままつりは4日間、毎日のように奉納の催しが組まれています。2026年に予定されている主なものを日ごとに挙げます(時間・内容は変わることがあります)。
7月13日(月) | 吹奏楽パレード(午後6時30分)、歌謡の奉納公演(午後7時/能楽堂)、阿波踊り(午後7時30分/参道)、奉納和太鼓(午後8時30分/神門前) |
7月14日(火) | みこし振り(午後6時30分ごろ・参道) |
7月15日(水) | みこし振り(午後6時30分ごろ・参道) |
7月16日(木) | 青森ねぶた(午後6時30分/参道)、つのだ☆ひろ奉納特別野外コンサート(午後7時/能楽堂) |
期間中:能楽堂での奉納芸能(日により演目・時間が異なります)、全国有名燈籠展、懸ぼんぼり、仙台七夕飾り
威勢のいいみこし振りや、巨大な青森ねぶたが参道を進む様子は迫力があります。
一方で、能楽堂で静かに奉納される舞や演奏もあり、にぎやかさと厳かさの両方を味わえるのがこの祭りの面白いところです。
狙いの催しがある日は、開始時刻の少し前に場所を確保しておくと、人垣の後ろになって見えない、という事態を避けられます。
屋台はある?食事について
ひとつ知っておきたいのは、2026年は通常の露店(屋台)の出店がない、と靖国神社が公式に案内している点です。
そのかわり、外苑エリアの「憩いの庭」「中央広場」にキッチンカーが並びます。出店時間は午前11時から午後9時まで。食べ歩きを目当てにする場合は、ふだんの夏祭りの屋台とは違うと考えておくとよいでしょう。
キッチンカーや授与所では現金が使える場面が多いので、小銭や少額の現金を用意しておくと安心です。九段下駅の周辺にはコンビニや飲食店もあるので、しっかり食事をしてから出かけるのも手です。
アクセス
所在地:東京都千代田区九段北3-1-1(靖国神社)
東京メトロ九段下駅(出口1)から徒歩約5分(東西線・半蔵門線・都営新宿線)
JR・地下鉄 飯田橋駅/市ケ谷駅から徒歩約10分
都営バス「九段上」停留所から徒歩約1分
最寄りは九段下駅です。出口を上がって靖国通りを進むと、大きな鳥居が見えてきます。祭りの期間は人出が多く、駅も混み合います。とくに夜は帰りの電車が混むので、時間に余裕をもって動くと安心です。
訪れる前に
いちばんの見ごろは日が暮れてから。提灯に火が入る夕刻以降を中心に予定を立てる。
混雑のピークは夜。ゆっくり見たいなら、開門直後の朝や平日が比較的落ち着いています。
7月の東京は蒸し暑い。帽子や飲み物、汗をふくものを忘れずに。浴衣で出かけると雰囲気が増します。
夜間に中庭まで進める特別参拝(午後6時〜午後9時10分受付・玉串料2,000円)もあります。隣接する遊就館も期間中は午前9時〜午後9時(最終入館午後8時)まで開いています。
境内ではドローンの使用が禁止されています。
天候や進行の都合で、催しの内容や時間が変わることがあります。出かける前に公式サイトで最新の案内を確認してください。
写真撮影や参拝の作法については、境内の掲示や係の人の案内に従ってください。祈りの場であることを忘れずに、まわりへの気づかいをもって過ごせば、東京の夏らしい夜を気持ちよく過ごせます。
あわせて回りたい
靖国神社の周辺は、歩いて回れる範囲に見どころがあります。桜で有名な千鳥ヶ淵、緑の広がる北の丸公園、コンサートでおなじみの日本武道館はいずれも徒歩圏です。
これらはみたままつりの一部ではありませんが、昼間に立ち寄って、夜の灯りを待つ、という回り方もできます。
夏の東京には、ほかにも夜を彩る行事がたくさんあります。浴衣で出かけたい人や、花火大会とあわせて夏の予定を立てたい人は、関連記事ものぞいてみてください。