標高2,450メートルの室堂から色づく立山黒部アルペンルートは、全国でも早い時期に紅葉が始まる山岳ルートです。立山黒部貫光によると、過去10年の平均では室堂の見頃は9月23日ごろです。街にまだ夏の暑さが残る時期に、山の上ではもう秋が来ています。
ルート全体の標高差は1,975メートルあります。紅葉は上から下へ、1か月以上かけて少しずつ下りてきます。9月下旬に室堂で見頃を迎えた紅葉は、10月中旬には黒部ダムのある谷筋まで届きます。紅葉の時期が長いので、行く時期を選べば、ルートのどこかで見頃に当たります。
全国の見頃は日本の紅葉2026|見頃カレンダーにまとめています。
山の紅葉は数日で進みます。例年の見頃だけで日程を決めず、出発の直前に公式「アルペンルートだより」で今の色づきを確かめてから、WEBきっぷと宿を押さえるのが失敗しないコツです。
標高別の見頃(例年の目安)

見頃は毎年少しずつ動きます。下の表はあくまで例年の目安で、2026年の予想はまだ公式から出ていません。
区間・標高 | 見頃(例年の目安) |
|---|---|
室堂(2,450m) | 9月中旬〜10月上旬 |
大観峰〜黒部平(約1,830〜2,316m) | 10月上旬〜中旬 |
黒部ダム(1,470m) | 10月中旬ごろ |
いちばん早いのは室堂です。みくりが池の周りは9月中旬から色づき始めます。少し下った大観峰〜黒部平(立山ロープウェイの車窓)や弥陀ヶ原は10月上旬から色づき、黒部ダムのある谷筋は10月中旬が目安です。
ただし、山の紅葉はその年の気温や台風で大きく前後します。この記事の見頃の目安だけを頼りに出かけると空振りすることがあるので、出発前に公式のアルペンルートだよりで今の色づきを確かめておくと確実です。
2026年の営業期間と11月のダイヤ変更
2026年の営業期間は、4月15日から11月30日までの予定です。2026年は全線開業から55周年にあたります。
標高の低い区間は色づきが遅く、11月に入っても紅葉が残ることがあります。ただし11月はダイヤが変わり、主要区間の通常時刻表は11月3日まで、11月4日から30日は立山駅と扇沢を結ぶ晩秋ダイヤに切り替わって、便数が減り最終便も早まります。晩秋に行く方は、事前に公式の時刻表と運行情報を必ず確認してください。
きっぷと予約(WEBきっぷと当日券)
アルペンルートは6つの乗り物を乗り継ぐルートで、きっぷの買い方しだいで紅葉期の待ち時間が大きく変わります。きっぷには、時間を指定して予約する「WEBきっぷ」のほか、当日に窓口で買う当日券もあります。
WEBきっぷで指定できるのは、入口となる駅での乗車時刻です。富山側は立山駅の立山ケーブルカー、長野側は扇沢駅の関電トンネル電気バスが入口にあたります。
2026年分は3月13日の午後3時から、利用時期ごとに順に販売が始まっています。利用予定日の販売開始時期は、WEBきっぷのページで確認できます。購入は利用日の前日午後3時までで、当日に窓口でWEBきっぷを買うことはできません。きっぷの有効期間は、予約した乗車時刻から片道・往復とも5日間です。
予約枠には限りがあり、紅葉期の人気の時間帯は早めに埋まる場合があります。当日券は乗車駅のきっぷ売り場で購入しますが、繁忙日は発売する区間を絞ったり、当日往復券の販売を制限したりすることがあります。混雑する時間帯は、購入から乗車までかなり待つ場合もあります。
紅葉期の週末に行くなら、最初に乗る乗り物(立山ケーブルカーか扇沢の電気バス)の時間だけでもWEBきっぷで押さえておけば、当日あわてずに済みます。始発に間に合わせるなら前泊が無難で、富山駅前・立山駅周辺・大町(長野側)などに宿を取ると、朝いちばんの便から乗り継ぎを始めることができます。東京からの詳しい行き方は立山黒部アルペンルート 東京からの行き方2026でまとめています。
料金(主な区間)
運賃は下の通りです(2026年2月27日現在・大人)。ルートを端から端まで通り抜ける「立山〜扇沢」がいちばん高く、片道でも1万円を超えます。
区間 | 片道 | 往復 |
|---|---|---|
立山〜扇沢(全線) | 10,940円 | 19,680円 |
立山〜黒部湖(黒部ダム) | 9,140円 | 16,480円 |
扇沢〜室堂 | 6,850円 | 12,300円 |
こども運賃は小学生が対象で、大人運賃の半額ほどです。未就学児は無料です。なお富山側から入るときに、富山駅から立山駅まで富山地方鉄道の特急を使う場合は、別に特急料金(大人600円)がかかります。
室堂の服装と気温

紅葉の立山でいちばん失敗しやすいのが服装です。室堂は標高2,450メートルなので、街の感覚で行くと確実に寒い思いをします。
公式の案内では、秋(9〜10月)の気温は10度前後です。10月に入ると標高2,500メートル付近では雪がちらつくことがあり、11月は氷点下になる日も多いとされています。実際、2025年の立山の初冠雪は10月29日で、その前日には室堂で10センチの積雪が観測されました。
服装は、ウールの厚手シャツやフリースに、風を防ぐ上着(ウインドシェルやダウン)を重ねるのが基本です。晴れていても山の天気は急に変わるので、雨具も必ず持っていきましょう。街が20度台の日でも、山の上の室堂は一桁台まで下がると考えて用意してください。
街の服のまま来ると、寒さで写真どころではなくなります。防寒の上着は「あれば安心」ではなく「必ず持っていくもの」です。
天気が荒れると一部の区間が運休することがあります。出発前と当日に公式の運行情報を確認してください。標高が高いと体も疲れやすいので、こまめに休みながら進みましょう。
